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7年前に読んだ『漆の実のみのる国』。
240年前の米沢藩主 上杉治憲(鷹山)の米沢藩での風土改革をテーマにした
本です。
孤立無援の中で次第に同志を増やして、経済破綻していた米沢藩を氷山の下から
改革した物語です。
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強烈な印象を残してくれた上に、この数年、運良く米沢を何度も訪問したことから、
「もう一度読みたい」と思うようになりました。
たまたまGW前に本屋に立ち寄った時、
「『海賊になった男』で涙したあなたにおススメ』
という手書きのPOPが目に飛び込んできました。
一体、何がおススメなのかと見てみると、それは今日紹介する『上杉鷹山』でした。
「どうせなら違う作者の『上杉鷹山』を読んでみよう」
と買い求めました。
「うえつぎて 国の司の身となれば
忘るまじきは 民の父母」
(藩主の座を譲り受けたからには
自分は藩民の父であり、母となることを決して忘れない)
「藩政改革を実行するということは、まず改革にあたる者が、
自分を変えることだ。自分を変えるということは、生き方を
変えることだ。かなりの勇気がいる」
と『愛と信頼』を基本に、四面楚歌の中、自らぼろをまとい、一汁一菜しか
とらず、改革の灯を徐々に徐々に広げていきました。
平時が常態となった時代に、侍とは何なのか?
形式を重んじ、それを守り通すだけになってしまった侍は何も生み出さない、
農民への寄生虫に過ぎない。
侍も自ら何かを生産して、藩に貢献しなければいけない。
それを藩主自ら公言する。
これって、武士の常識を根底から覆すことであり、普通の武士にとってはとても
承服できることじゃありませんよね。
まさに氷山の下。
そしてこれを実行していく際の、あくまで謙虚な鷹山の姿勢。
あそこまで、すべて不徳の致すところと、自責として捉える。
これを読んでいると、自分がいかにやれていないかを痛感します。
会社を変えたいという中小企業の経営者の必読の書です。
これを読んで、もう一度『漆の実のみのる国』を引っ張り出してきて、早速
読み直すことにしました。
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