磯輪日記

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『上杉鷹山』

2013年05月11日 19時42分29秒 | こんな本読みました

7年前に読んだ『漆の実のみのる国』
240年前の米沢藩主 上杉治憲(鷹山)の米沢藩での風土改革をテーマにした
本です。

孤立無援の中で次第に同志を増やして、経済破綻していた米沢藩を氷山の下から
改革した物語です。

        

強烈な印象を残してくれた上に、この数年、運良く米沢を何度も訪問したことから、
「もう一度読みたい」と思うようになりました。

たまたまGW前に本屋に立ち寄った時、

 「『海賊になった男』で涙したあなたにおススメ』

という手書きのPOPが目に飛び込んできました。
一体、何がおススメなのかと見てみると、それは今日紹介する『上杉鷹山』でした。

 「どうせなら違う作者の『上杉鷹山』を読んでみよう」

と買い求めました。

 「うえつぎて 国の司の身となれば
   忘るまじきは 民の父母」
   (藩主の座を譲り受けたからには
    自分は藩民の父であり、母となることを決して忘れない)

 「藩政改革を実行するということは、まず改革にあたる者が、
  自分を変えることだ。自分を変えるということは、生き方を
  変えることだ。かなりの勇気がいる」

と『愛と信頼』を基本に、四面楚歌の中、自らぼろをまとい、一汁一菜しか
とらず、改革の灯を徐々に徐々に広げていきました。

平時が常態となった時代に、侍とは何なのか?
形式を重んじ、それを守り通すだけになってしまった侍は何も生み出さない、
農民への寄生虫に過ぎない。
侍も自ら何かを生産して、藩に貢献しなければいけない。
それを藩主自ら公言する。

これって、武士の常識を根底から覆すことであり、普通の武士にとってはとても
承服できることじゃありませんよね。

まさに氷山の下。


そしてこれを実行していく際の、あくまで謙虚な鷹山の姿勢。
あそこまで、すべて不徳の致すところと、自責として捉える。
これを読んでいると、自分がいかにやれていないかを痛感します。


会社を変えたいという中小企業の経営者の必読の書です。


これを読んで、もう一度『漆の実のみのる国』を引っ張り出してきて、早速
読み直すことにしました。



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