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『プラチナタウン』、『和僑』、『再生巨流』に続いての楡周平さんの作です。
とにかく面白い! 本当に面白い!
楡さんの頭の中はどうなってるんでしょうか?
コンビニのバイイング・パワーの台頭、郵政民営化による民業圧迫、膨張するオンライン・
ショッピングモール、ネット対テレビ、楽天のTBS買収工作などなど、実際にあった、
進行中の出来事を散りばめ、ワクワクするストーリーを作り上げ、そこになぜ今この世に
存在しないのか、言われてみれば不思議と思うほどの起死回生のビジネスモデルで宅配
会社を絶体絶命の窮地から救い出す。
自分たちを業者として蔑み、物量を力に無慈悲に値引きを突き付けたネットショップの
カリスマ創業者に向かって、主人公である宅配会社の営業マンが、
「社長。最後にこれだけは言っておきます。あなた方はどう
思っているか分からないが、物を運ぶ、送り届けるという
行為が付き纏うビジネスにおいては、誰が強いかを考えて
みることです。もちろん、我々の中では結論は出ている。
ラストワンマイルを握っている人間がいちばん強いとね。」
宅配会社とともに、ラストワンマイルを担っている段ボールに関わるISOWA。
ずっと私が思っていることを、楡さんが主人公に言わせてくれた!
この最後の主人公のセリフに至るまでのドラマチックなストーリー。
またまた、楡さんの傑作でした。
ぜひ、これも、読んでください。
というのは、私としては、このビジネスモデルには欠陥があると思うのです。
だから読んだ人と、このビジネスモデルについて議論したいのです。
待ってます!
どの本もワクワクしますね。
次に何を読もうか、迷っています。
うれしい悩みです。