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吉村達也という作家をご存知でしょうか?
主に、推理小説やホラー小説を書く作家で、氷室想介や朝比奈耕作と
いうシリーズ物が有名だそうです。
私は、推理小説、ホラー小説というのは得意ではなく、一冊も読んだ
ことはありません。
じゃあ、なぜそんな人をブログで取り上げるのか?
私と繋がりがある人だと知ったのは、受け取った1通のメールがきっかけ
でした。
大学の自動車部の仲間で定期的に集まる会をやっていて、今回もその
案内のメールが届きました。
あいにく私は今回は参加できないので、その旨返事を出しました。
同様に、各自、都合を幹事宛、かつ全員に返信します。
そんな中、広島にいるAくんからの欠席の返事の中に見つけたこんな
一節。
> 円盤ナビに指名されて激励されつつラリーに参加した。
> 憧れだった吉村達也先輩。自ら出したブログ12年5月14日の訃報。
まず一行目を解説します。
我われが学生時代の学生ラリーとは、ラリー・コンピューターなど存在
しない時代で、最初は機械式の手回し計算機を使用していました。
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こんなような代物を助手席のダッシュボードに固定して、ナビゲータは
分速を入力して1分経過するごとにハンドルを1回転させ、積算した距離と
実際にトリップ・メーターが示す数値の違いから早遅を判断してドライバーに
「○分遅れ」とか「X秒先行」と伝えていました。
その内、この機械式計算機の機能を簡便的に代行する計算尺を円盤型にした
ものが登場しました。
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これを使う助手席に座るナビゲータという意味で「円盤ナビ」と称して
いました。
しかしAくんの文章の2行目は・・・
「?」 意味が分かりませんでした。
そこでまず自動車部の名簿を調べてみると、昭和50年卒に吉村達也なる
先輩がいましたが、「故人」と記載されています。
で、今度は「吉村達也」をネットで検索してみると、
推理作家、ホラー作家(1952年3月21日 - 2012年5月14日)。
一橋大学卒業後、ニッポン放送に入社。その後作家に。
2012年5月14日、胃がんのため死去した。60歳。
そしてご自身の同日付の公式ブログに、
訃報のお知らせ
みなさん、こんにちは。長らくごぶさたしておりました。
突然ですが、私はこの度、死んでしまいました。
なお、QAZの正体、魔界百物語の真相、私の葬儀の段取りなど、
詳細については後日お知らせ申し上げます。
とアップしたことが、当時かなり話題になったことも分かりました。
自分のブログに自分が亡くなったことをその日にアップする。
すごいことですね。
私は昭和49(1974)年に一橋に入学したんですが、自動車部に入った
のは3年生からなので、昭和50年卒の吉村先輩とはすれ違いでした。
また吉村先輩の本も読んだことがありません。
ただ冒頭の写真にある吉村先輩の遺作『ヒマラヤの風にのって 進行がん、
余命3週間の作家が伝えたかったこと』は推理小説でもホラー小説でも
ありません。
「しかしこんな素晴らしい作家を早くに亡くしてしまったことが、
残念です」
という書評がありました。
大学の、それも自動車部の先輩でもある吉村さん。
読まなきゃいけませんね。
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