オレ流の『育てる』

 

ちょっと汚れた封筒からのぞく本。　見覚えがあります？

 

そうです。

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『嫌われた監督』 - 磯輪日記

『週刊文春』の編集長が決めた『嫌われた監督』という本のタイトルを聞いて、「それなら書けるような気がした」という著者の言葉があとがきで紹介され...

『嫌われた監督』 - 磯輪日記

 

１カ月半前に、ここで紹介した落合監督のことを書いたこの本です。

 

読み終えた後、あるアイデアが浮かびました。

そうときたら、即実行。

早速、本を持って、加工工場へ向かいました。

そして目当てのＳくんを探したら、いた、いた、４人で工場内のテーブルでミーティング

してました。

 

そこへ割り込んで、

 

　「Ｓくん、本は読むことある？

　　無いだろう？　　だったらこの本読んでみろよ」

 

Ｓくんは筋金入りのドラキチなので、普段本を読まなくても、この内容ならきっと

興味を持って読むはず。　そしてそれがきっかけとなり、他の本も読んでくれるように

なれば、本当にうれしい。　だってＳくんは私にとっても大切なＩＳＯＷＡビトだから。

 

それより、普通は、「こんな失礼な物言いして大丈夫？」と心配する方もいるでしょう。

でも大丈夫なんです。　私とＳくんはそういう関係だから。遠慮せず、ストレートに

言えるからこそ、あえてこういう言い方をするんです。

 

するとＳくん、

 

　「本は読みません。

　　でもこの話は、本になる前、週刊文春に連載されていた時読んでました。

　　本になったって聞いたから、買ってみようと思って、本屋に行ったけど、

　　2,000円以上したので、断念したんです」

　「だったらぜひ読めよ。ドラキチだったら、きっと私より楽しめると思うよ。

　　そして読んだら、感想聞かせてよ」

　「いいですか？　ぜひ読ませてください」

 

先週だったかな、彼と会った時、

 

　「英之さん、もう全部読みました。

　　貸してもらったから、早く読まなきゃと思い、毎晩、必死で読みました。

　　もう一度読み返したいので、もうちょっとだけ待ってください」

　「いいよ。いつまでもいいよ」

 

　

　「ところどころページが折り曲げてあったけど、あれはどういうことですか？」

　「面白かったところは、線を引いたり、ページを折って、後から読み返すんだ」

　「やっぱりそうですか！」

 

 

 

こういうやり取りがあって、今日、顔を合わせると、

 

　「英之さん、本持ってきました。汚い封筒でごめんなさい」

 

とんでもない。一生懸命仕事してくれている証拠です。

 

　「で、読んで、どうだった？」

　「面白かったです。本にあるような話があったとは。

　　面白かったので、自分でも買ってみることにしました」

　「おお、うれしいな～　　これを機会に本を読むようにね」

　「ハイ！」

 

ということで、これも私流の『育てる』です。

次は誰にしようかな～　　

「本を読んで育ちたい！」と自ら挙手もありだよ。