磯輪日記

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『名君の碑』

2024年01月11日 19時52分53秒 | こんな本読みました

 

何かで紹介されていた書評が気になって、読んでみました。

なぜか、主人公、保科正行が、私の好きな上杉鷹山と同じように書評で紹介されていたことと、

そもそも保科正行という人物をあまり知らなかったので、もうちょっと知ってみたくなった

ためです。

 

江戸幕府三代将軍徳川家光の異母弟で、初代松平家藩主。家光と四代将軍の家綱が最も信頼した

人物です。

 

こう書くと、何の不自由もないお大名と思いますが、どうして、どうして。

父である二代将軍秀忠が正室お江与が怖く、一実子として認知せず、信州高遠の保科家へ引き取られ、

その後、生涯父秀忠と一度たりともお目通り叶いませんでした。

 

文庫本700ページの内、主人公が生まれるまでに、正行の母(秀忠の側室)の生い立ちと、

お江与のおどろおどろしいいじめに、100ページが割かれています。これがちょっと多過ぎた・・・

そこから正之が江戸幕府にデビューするまで、さらに150ページ。   

 

しかし家光に取り立てられてからの活躍は、家光への恩に報いるために、ひたすら励みます。

正行の業績は、それまでの武断政治から、文治・人本政治へと江戸幕府を転換させたことです。

 

そこには、自分の母の悲しい生い立ちが背景にあり、弱者、民百姓にやさしい政治でした。

 

著者である中村彰彦さんは、歴史に埋もれた人物に小説によって光を当てることをライフワーク

としていますが、そのハイライトが保科正行だと言っています。

 

私も、保科正行という名君に触れることができました。

ありがとうございました。

 

 


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