よんたまな日々

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ごきぶりを殺す

2005年09月07日 | 日々徒然
昨日の朝、早番出勤だったうちの奥さんを送り出したあと、便意を覚えてトイレに入ったら、そこで、ばったりごきぶりと顔を合わせました。

以前からうちの家に一匹いるらしいとは知っていました。最初はうちの奥さんが台所で見かけてパニックに陥っている間に逃げ、二回目も台所で見つけたうちの奥さんが手近にあった雑誌で果敢に攻撃したのですが、やはり逃げたそうです。
二回逃げられたことで、うちの奥さんは、バルサンのゴキZero という毒薬を室内に仕掛け、泡を吹きつけてゴキブリを捕まえるというスプレーを用意しました。
三回目は、風呂上りのうちの奥さんが玄関口でばったり発見し、悲鳴を上げたので、僕もかけつけました。毒薬を食ってなかったのかと悔しがりながら、泡スプレーを吹きつけようとしたのですが、高速で動くごきぶりに泡を正確に命中させるのは不可能で、玄関の上り口周辺を泡だらけにした末に、クローゼットの中に逃げ込まれてしまいました。
夫婦二人で、風呂で汗を流したあとなのに、脱力感に苛まれながら、部屋中に散乱した固まった泡をはがして捨てていく作業は大変でした。
泡スプレーが無力だったので、その後、僕は普通のゴキブリ用スプレー式殺虫剤を用意して、4回目の遭遇に備えていました。

そして、ついに4回目の遭遇となったのですが、朝の忙しい時間の、しかも一人しかいないときになるなんてなかなか不運です。
トイレという密室で一人と一匹で睨み合っているのは怖いので、まずは深呼吸をして、トイレから出て、殺虫剤を持ってきて、再度トイレのドアを開けました。
ところが、既にゴキブリの姿はなく、扉を大きく開け、ぐるりと周囲を見渡しても見つからず、見失ったかとがっかりした視界の隅で、かさりと動くものが。
敵もサルモノ、こちらが態勢を立て直している間に、狭いトイレから脱出し、廊下の天井に避難していたのでした。そこかと、頭上の敵に向かってスプレーを吹き付けると廊下から玄関口の床に飛んで逃げ、玄関口の靴の下に逃げ込もうとします。逃さじと追いかけ、靴の下から覗いている尻に向け再度噴射すると、苦しみながら這い出して来ましたが、既に体力衰え、別の靴の下に逃げ込もうとヨロヨロと動くも力尽きて、床の上で痙攣しています。ここで情けを見せては油断をついて再度逃げ出すかもと、意を決して手近の靴の裏でばしっと叩き、完全に動きが止まったのを確認してから、キッチンペーパーを持ってきて死骸を包んでゴミ箱に投入し、さらに玄関に並べられた靴の裏と玄関の床をざっと拭きました。

ここまではアドレナリンが出ていたので、かなり夢中で動いてましたが、捕り物が一段落すると、なんとも物哀しい気持ちになりました。
清潔で気持ちよく寛げる我が家であって欲しいので、ごきぶりと共存する気はかけらもないのですが、それでもやはり生き物を殺すのは、気分の滅入るものです。
なんとか殺さずに追い出すことができればよかったのにと、会社に行く道すがら考えていました。
途中、建物の植え込みの一部を占拠してホームレスの人が寝ていました。その途端に非常によくない連想が頭の片隅を過ぎり、首を振ってその連想を振り払いながら、
・ゴキブリとの会話は不可能だが、人との会話はできるはず
・僕はいくら間違ってもゴキブリにはきっとならないが、ホームレスになる可能性はある
と自分に言い聞かせながら、事務所に入りました。

なんとも気の滅入る一日の始まりでした。

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