よんたまな日々

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「ポムの樹のオムライス」

2008年08月27日 | B級グルメ
ポムの樹というのは、説明する必要もないくらい全国くまなくチェーン展開されている例のオムライス屋さんです。どこにでもあるチェーン店なんで、これまではちょっと馬鹿にして行ったことがなかったのです。
昨日の夕飯を相当食い過ぎたので、今日は軽くおそばにしようと駅地下街のおそば屋さんに行ったのですが、微妙にお腹が空いてきていて、おそば屋さんのメニューでなく、隣のポムの樹のメニューのほうに引っ張られて、そちらに入ってしまいました。
食べたのは、チキン照り焼きとほうれん草のクリームソースオムライス。ちょっとメニューが豊富過ぎて、注文するまで結構迷いました。
クリームソースだし、卵でくるまれているし、しかもライスは味付なので、まあ外れないわなぁと思いながら、一口食べてびっくりしました。中のライスがリゾット風の炊き加減だったのです。
パスタをアルデンテに茹でるというのは日本人が90年代半ば以降に目覚めた味覚だと思っています。いや、それ以前もアルデンテはあったのでしょうけど、僕がまだ学生のうちは、スパゲッティというのは、喫茶店で出てくるナポリタンか、ハンバーグの付け合せか、自宅で柔らかくなるまで茹でたスパゲッティをさらに炒めてミートソースをかけたものかの3種しかありませんでした。どれもアルデンテなどという概念は含まれていません。
会社の先輩に連れられて、イタ飯ブームの中、スープスパなどを食べていたのですが、本当にアルデンテがうまいと思ったのは、うちの奥さんの教育のおかげです。
で、うちの奥さんと大阪に戻ってきて、大阪の表玄関梅田のホワイティの地下にある某パスタ屋さん(専門店なのに!)で食べたパスタが全然アルデンテでなくてびっくり。
まあ、うちの親父にアルデンテのパスタ食べさせたら、「生煮えだ!」と怒りそうだし、大阪のうどんは十分煮込んでも、それでも腰があるのが評価されるんで、アルデンテをおいしいと思う味覚は、大阪の人にはなかなか馴染まないのではと思っていました。
ミーツの昔の号で、「浪速は日本のイタリアや!」みたいな特集があって、いや、アルデンテを知らない大阪がイタリア名乗るのは早いやろと一人で突っ込んでいました。
で、今日思いがけず、ポムの樹の、うまいリゾット飯のオムライスを食って、大阪にもこういう舌触りを楽しむ文化が普及しているのかと驚きました。
クリームソースをかけた卵に包まれたご飯が、柔らかに汁を吸ってしまう通常の米だと、あまりにもクリームを吸いすぎて、重苦しくなってしまう。既にほのかにコンソメ味のリゾットなので、クリームソースの中でもざらっとした食感が残り、とても正しい選択だと思いました。

昨夜、僕がこれまでPOPSばかり聞いていたのが、最近クラシックにかなり移行しているので、「ようやく広帯域の味わいに目覚めた?」とうちの奥さんに言われたばかりでした。
うちの奥さんによると、POPSは、メロディーラインが一本で展開も一つのパターンを守っていて、わかりやすいんだけど、バリエーションと豊穣さに欠けるとのことです。
それに比べるとクラシックの何重にも折り重なったバリエーションの豊かさは素晴らしいということなのですが、僕にはむしろ、「楽しむポイントはここだよ!」って言ってくれる
POPSのほうが、気楽に楽しめていいのですが。

最近アニメに面白い番組が多いと思い出しているのですが、その豊穣さと単純もしくは単調さのラインをどこに引くかという話、伏線の引き方や複数視点を切り替えながらストーリーを紡いでいく展開力などが、まさしくPOPSとクラシックの差みたいな話があるなぁと思っていたところに、思わぬところで、食い物における豊穣さを考えてしまう体験をしました。いや、びっくりした。調味料の味と組み合わせだけでごまかしがちになりそうな大阪の食いもん屋にも、まだまだ意外な力を秘めていたんだなと思い知らされました。しかも、どこにでもあるチェーンのお店で。


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