よんたまな日々

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昨日のテレビ

2022年06月23日 | ネット生活

昨日のテレビ、とても楽しかったです。

まずは「英雄たちの選択」は三好長慶。
信長の少し前に畿内を占領し、松永弾正を取り立て、細川と足利将軍を京都から追い落とし、事実上の支配者となっていました。
元号改元の際には足利将軍を差し置いて、新元号を天皇に上進します。
無頼の戦上手で、南蛮貿易も開始し、石垣を用いた築城や、鉄砲の使用、商業の自由化も進めます。
合理的な改革主義者が躓くのは、意外にも、上杉、武田、浅井、織田、斎藤という新興大名達が、足利将軍の権威を、自分達の地盤固めに利用したく、一切に足利幕府側に付いたこと。
三好包囲網に破れ、高槻の芥城に引きます。
そこで、甲斐武田氏の氏神を祀り、自身が源氏の正当な後継者として、権威付けを図ります。

ここで中野信子さんが、早速、鋭い一言。
長慶は、権威主義と前例踏襲が大嫌いな筈だが、ここで、自分の合理主義だけでは、世の中を動かさないことに気がついて、合理的な判断で、源氏の権威を使うことにしたと。
いいですね。成程!です。

信長の改革を先取る形で全てやっていながら、時代に先んじ過ぎて、周囲が付いてこなかった三好長慶。磯田先生曰く、「三好長慶が最初の波で砂上の楼閣足利幕府を崩そうとして失敗した。しかし、足利幕府が代替可能なことを世に示し、織田の第二波で足利幕府討幕に成功させる大きな貢献をした。三好長慶を知らずして、信長を語るなかれ!」。
三谷幸喜さん、今度の大河は、三好長慶でよろしく!

「鳥の詩」 皇 美緒奈



さて、他にも楽しいテレビ番組に恵まれていて、もう一つは「ハートネットTV」「塀の中のリクエストアワー」。
刑務所の囚人に向けてラジオ放送している人のドキュメンタリーです。
逮捕された時に、まだ幼い娘さんがいらっしゃって、もう20年も塀の中にいる囚人の方。娘に会いたいという思いが募るが、被害者の家族の感情を考えると、そして父親が罪人ということが娘の人生の頸木とならないように、娘に手紙も書けない。

そういう辛い悩みに寄り添って、一生懸命罪を償ったことが、被害者の家族にも、自分の家族にも伝わると、いつか娘さんと連絡が取れる日が来るかもしれないと、励まします。
静かな刑務所に流れるさだまさしの歌に、目の奥がツンとしました。

徹底的に囚人に寄り添うスタイルのDJ、重い内容の手紙を読み上げ、一件一件、キチンと向き合っている姿に、DJのメンタルが心配になりました。

「お便りにみんな如何にも誠実に罪と向き合っているかのように書いているが、ラジオ放送が終わった後の周囲の発言を聞いていると、偽善、おためごかしとしか思えない。」という手紙が来ます。
手紙を読みながら思わず涙するDJ。
次の放送で、そのお手紙を読み、
「それでも私は、皆さんのこのお手紙の気持ちを信じたい。」
とキッパリと語ります。
この気持ちが通じたのか、投稿者から謝罪の手紙が届きます。

うちの奥さんが
「ひろゆきは、『分からないのは、お前が悪い。』というスタンスで切り捨てるコミュニケーションだけど、この人が凄いのは、誰も切り捨てないコミュニケーションを徹底しているところだな。」
と指摘。私は普段は、「わかる人にだけ伝わればいい」というひろゆきスタイルのコミュニケーションに近い方針でブログ書いてますが、「誰も置き去りにしない」は、中々普通の人間にできることではないと思います。
うちの奥さんは、このドキュメンタリーに感動して、私はひろゆきスタイルは取らないと宣言しております。

「しあわせについて」さだまさし


さらにハートネットTVに続いて見たのが、100カメ「絶海の孤島」
100カメは色々なところに100台のカメラを設置し、数日連続で撮影し、大量の映像の中から、ドラマチックな場面だけを選択して、30分にまとめた番組。
今回は、小笠原諸島の中では日本人が常住している最南端の島、青ヶ島にカメラ100台つなぎました。

島民は170人。島のお店は、何でも売っている店一軒だけ。あとは、飲み屋に民宿。それから島の名産である焼酎を作っている酒屋。本土からは八丈島まで飛行機、そこから一日一本の船で3時間。

本土からの荷物もこの船で運ぶしかなく、嵐で欠航が続くと、その何でも屋さんの棚がほぼ空っぽになってしまいます。
島の人たちは、みんな顔見知り。まるで家族のように濃い人間関係が残っています。

飲み屋では、酔ってくだまくおっちゃん達が、本気で怒鳴り合いの喧嘩をするシーンが放送され、人と人の距離が近い大阪の居酒屋でも、ここまでのは見たことがありません。

逆に嵐の日は、みんなで協力して畑のビニールシートを支えたり、収穫できるものはとっとと収穫します。

ここに、中学生二人組が本土から留学してきます。
受け入れ先の母ちゃんが、中学生たちに「夕飯、何食べたい?」と聞いて
「コロッケ」との返事をもらいますが、台所にもお店にも、ジャガイモの在庫がありません。
「明日、船来たら作ろう」と言ったら、翌日から嵐が続きます。欠航の連絡が来るたびにがっかりする子供たちに、民宿のおばさんが、
「うちに遊びに来い」と言います。母ちゃんは、
「箸と皿持って遊びに行ってこい」
「箸と皿?」と聞く子供たちに、「民宿だからうまいものいっぱいあるぞ。いっぱい食べてこい。」苦笑いする民宿のおばちゃん。

三日後にやっとコロッケの材料のジャガイモが届きます。ネットでコロッケレシピを検索しているお母ちゃん。「コロッケなんてもう20年作ったことがない。」

子どもたちも一緒になって、レシピサイトを一緒に見ながら、自らジャガイモの皮むきや芋ふかしをやります。

「これだけ心待ちにしたもんな。それは自分達でも作ろうという気になるわな。」と家内。
「うん、この島で一年間過ごすと、この中学生、すごく逞しくなると思う。」
「ごめんなさい、うちの場合、コロッケはお隣のスーパーで買ってくるものでした。お隣のスーパーが休みでも、コロッケを買える店はうちの回りに10件以上ある。コンビニ、持ち帰り可能な居酒屋さん、他のスーパー、総菜弁当屋さん、コロッケも買える鶏唐屋さん。」

なんというか、自由を奪われた囚人の人たちと言い、お互いに助け合わないと生き抜けない島の人たちと言い、ひろゆきのように、クールに澄まし顔で自分の仕事だけしていればいい、軟弱な都会人には、とても眩しい、ドキュメンタリー二本でした。

「beetle」山崎ハコ



「夏・二人で」 六文銭










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