武本比登志の端布画布(はぎれキャンヴァス)

ポルトガルに住んで感じた事などを文章にしています。

108. 花粉症 Alergia ao pólen dos ciprestes

2013-05-20 | 独言(ひとりごと)

 日本では花粉飛散の季節は既に終わったのであろうか?

 今年も日本滞在中は2月頃から連日、テレビの天気予報の中でスギ花粉やヒノキ花粉の情報が流れていて「そうか花粉症か」などと他人事の様に聞いていた。

 

 僕は日本では全く花粉の影響はない。

 ところが一昨年のあたりから、ポルトガルの野の花の花粉に反応を示すようになってしまった。

 一昨年より昨年、そして昨年より今年がひどい。

 目の周りは赤くなって痒くしょぼしょぼする。涙が出てきて、眼球までもが赤く、まるでトラホーム患者の様に醜くなってしまう。鼻水が出る。かんでもかんでも出てくる。くしゃみが立て続けに10回も起こる。そして喉の奥の扁桃腺の辺りがムズ痛くなる。それに喘息の徴候。そうなると少々目薬を差そうがどうしようも収まらない。

 

 一昨年には慌てて薬屋に飛び込んで花粉アレルギーの薬を買ったが、薬に頼るのもあまり好きではないので、今のところ使うのは目薬だけにしている。

 ひどくても野の花は見たい。

 

 ポルトガルの野の花は2月頃から6月中旬頃までに限られる。春には日本に居ることが多いから僕が野の花を見られるのは少しの期間に限られる。この春にも初めて見る花が幾つか見つかっている。ラン科だけでも3種類だ。

 この際、花粉症などとは言っては居られない。

 そう思って辛いのをものとはせずせっせとアレンテージョなどに出かけている。

 クルマの運転をしながらくしゃみが出る。これだけは我慢の仕様がない。立て続けに10回も出る。くしゃみをする時は目をつぶってしまうものだ。MUZはすかさず「危ないから目を開けたままくしゃみし~や」などと言う。

 120キロ程で走っている時に10連発のくしゃみが出れば本当に危ないと自分でも思う。目をつぶらない様に努力をしてみるが出来るものではない。携帯が掛かって来たときには路肩にクルマを寄せて電話を聞くことも出来るだろうが、くしゃみは路肩に寄せる時間さえ待ってはくれない。

 でもそろそろ野の花の季節も終りに近づいているのであろう。街路樹のジャカランダが紫に色付き始め、メルカドにはセレージャ(サクランボ)が山と積まれる。季節は乾季へと移り変わり、やがてアレンテージョは一面枯れ野原と化す。VIT

 

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