明けましておめでとうございます。
ポルトガルでは運動不足解消のため毎週日曜日に開かれる露店市歩きを楽しんでいた。
『武本比登志油彩作品F30』本文とは関係ありません。
絨毯通り。工具通り。靴屋通り。衣類通り。家具通り。生地屋。帽子屋。バッグ屋。アクセサリー屋。荒物屋。それにチーズ屋。バカラウ屋。八百屋。パン屋。飴屋。アーモンドやクルミなどのナッツ屋。カセット屋。カナリアやインコなど観賞用の鳥。鶏、アヒル、七面鳥など食用の鳥。それらの鳥の雛。ペットとしてのウサギ。食用のウサギ。観葉植物や花の苗。野菜の苗などなど。珍しいのはワインを仕込む道具屋。アグアデンテ(蒸留酒)を仕込む道具屋。蜂蜜の道具屋。それに馬具屋と何でも揃う。何も買う当てもないのだが、見て歩くだけでも2~3時間は歩くことになり、知らず知らずに運動になる。
第1日曜日はアゼイタオン。第2はピニャル・ノヴォ。第3はコイナ。そして第4はモイタで全てセトゥーバル半島内。数えたことも聞いたこともないが、300店舗程はあるだろうか。出店している人はほぼ同じだが、少しずつは変化もあり飽きることはなかった。
食堂も沢山が出ていて、フランゴ(鶏)の炭火焼きかエントレメアーダ(豚の三枚肉)のサンドイッチ。たまにはショコフリット(大モンゴイカの唐揚げ)そして具沢山のソッパ(スープ)。露店市の昼食も楽しみのひとつだった。馴染みの店のジョアンはいろいろと親切にしてくれた。
日本に帰って来て、残念ながら露店市歩きはない。
運動不足解消には歩くことが一番だと思っている。近くのスーパーまで歩いて行っても距離は知れているのであまり運動にはならない。
我が家から大淀川の河川敷迄3分の距離だ。3分の距離だがその河川敷が広い。そこを歩けば運動にはなる。河川敷には6面ほどのソフトボール場。やはり6面ほどのサッカー場。それにゲートボール場などもある広い河川敷だ。
河川敷サッカー場と『赤江大橋』の橋桁
夕方には少年野球チームや少年少女サッカーチームたちが本格的なユニフォームを着て練習をする。指導者もいる。友だち同士で自転車を漕いで来る少年少女も居るが、駐車場もあり父兄たちが送り迎えもする。ずいぶん遠くからもやってくる様だ。練習だけではなく試合が行われることもある。
野球やサッカーだけではなく、勿論、1人でもくもくとジョギングをやっている人も居るし、しっかり手を振って大股で歩くことをしている人。犬の散歩の人も居る。本格的な格好ではなくてもボール蹴り楽しんでいる親子。凧揚げを楽しんでいる家族。水際では釣りを楽しんでいる人も居る。思い思いに河川敷を利用しているようだが、ゴルフとスケボー、そしてバーベキューは禁止だそうだ。
川にはたぶんボラだろうと思うが大小沢山の魚影が見える。蟹の姿もある。MUZは捕まえたそうにしている。味噌が詰まっていそうだ。
今の時期はカイツブリや様々な鴨、そしてバン。カモメも居るし鵜も居る。
鵜が群れて杭に並んでいる。
ベンチもあり日向ぼっこでも気持ちが良いが、そこを我々も歩くことにした。ゆっくりだ。こんな寒い時期でも花が咲いていたりする。名前は知らない。季節外れのスミレも咲いている。
無残にも踏まれた浜大根の葉
野生の大根、浜大根が葉を広げている。歩道沿いのは無残にも踏まれていたりするが、それでも枯れたりはしない。春には大きく成長して、淡い桃色から白色の花を可憐に咲かせているのを毎年見ていた。
これは2011年3月大淀川河川敷で撮影の浜大根の群生
浜大根の花
今の時期には花はないが少しばかり芽を出しているといった状態だ。散歩の途中、抜いてみた。土が柔らかいので簡単に抜くことが出来る。小さな大根が付いている。せっかく抜いたのだから持ち帰った。
持ち帰ってきれいに洗って一晩干し、糠漬けにしてみた。
帰国して1か月程した頃から糠漬けを作りだした。近くの『まえだストア』で糠が売られていたからだ。
僕は若い頃から糠漬けは作っていた。いや、切らしたことがない。
東京で18歳時の浪人中一人暮らしで自炊をしていた。共同の台所で糠漬けも作った。種糠は大阪から母が持たせてくれた。
結婚後、ストックホルムに暮らした時にも糠漬けを作った。尤も糠は手に入らなかったので、パンの耳などで代用した。上手く出来た。
海外に住んでいると、日本では決してやらないことまでもやりたくなるものだ。
例えば『豆腐造り』『味噌作り』『納豆作り』『魚醤油作り』、イカのげそとワタ(内臓)で『塩辛』を作ったり、魚を磨り潰して『はんぺんてんぷら』に挑戦したりもしたし、梅の代わりにプラムを使っての『梅干し』を作った。プランターで紫蘇も育てた。
糠漬けはニューヨークでも作った。調理師の専門家から「旨く出来ている」と褒めてもらったこともある。
勿論、ポルトガルではずっと作っていた。パンの耳での糠漬けだ。
帰国して本当に久しぶり、何十年ぶり、本物の糠を使っての糠漬けである。ようやく塩が馴染みはじめたところだ。
それに大淀川の河川敷で引っこ抜いて来た野生の大根苗を漬けてみた。
浜大根の古漬け
浅漬けではなく、古漬け気味迄漬け込んでみた。
葉っぱも根っこも小さく刻んで、玄米ご飯に混ぜて食べた。旨い。
玄米ご飯に浜大根の菜飯
玄米ご飯に納豆を掛け、生卵を落とし、小さく刻んだ古漬け浜大根菜を混ぜた。これも旨い。
玄米ご飯に納豆卵掛け菜飯
このところ野菜が値上がりして糠漬け用までは回らない。どうしても未だポルトガルの値段と比較してしまうが野菜、果物の高いのに驚く。いや、野菜、果物だけではなく、肉、魚、米、タマゴ、牛乳、電気、ガス、水道など全ての物価が高い。
散歩の途中、無料の浜大根を毎日1本ずつ引っこ抜いてくることに嵌ってしまいそうだ。VIT
ハマダイコン(浜大根、学名: Raphanus sativus var. hortensis f. raphanistroides)アブラナ科ダイコン属の越年草。別名、ホソダイコン、ノダイコン、イソダイコンともよばれる。中国名は藍花子。野菜のダイコンよりも葉や根は硬く、強い辛味と香りを有し、同様に食用にすることができる。ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれ、カリウムやカルシウムのミネラルも豊富に含まれていて、消化作用があり、胸やけに薬効があると言われている。(Wikipediaより)