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寝たきり老人さんの身体に起きていること ⑧ 筋緊張の亢進3 福祉用具や地球の引力による筋肉の過伸長に対する立ち直り

2018年07月25日 10時24分56秒 | 訪問介護

寝たきり老人さんの身体に起きていること ⑧ 筋緊張の亢進3 福祉用具や地球の引力による筋肉の過伸長に対する立ち直り

…前略

 それと同時に、引っ張られ続けるハムストリングスが「防御反応」として、

かえって強く縮もうとします。

縮もうとするからこそ、骨盤後傾とすべり座りが生じる、という言い方もできます。

つまり、「不適切な福祉用具の使い方、設定が筋肉をこわばらせていく」ということが起こるわけです。


同じような状況として、

「寝たきり老人さんの手足に枕を挟んで強引に広げようとしている」という場面があげられます。

一番多いのは「閉じて開かない股(股関節)に対して、

左右の大腿の間に強引に枕を突っ込み挟み入れ、押し広げる」かな?これをやると

股関節はかえって激しく閉じていこうとしていきます。

「無理に挟んで広げる」というケアは、基本的にはかえって状況を悪くしていき

最後には骨折事故を引き起こすものですから、本来はしてはいけません。

(では、どうするか?は、この終わりの見えないブログでいつかまとめます(^^; )

 次は福祉用具ではなくて地球の引力に対する立ち直りとしての緊張亢進です。

これは前回の「重力不安による屈筋群亢進」とほぼ同じ、

でも、屈筋群だけじゃないですよ、というお話です。

例えば寝たきりレベルになると、下肢が屈曲拘縮気味になる方が多いです。

これには前回まとめた「床面側の筋肉が緊張していく

(仰臥位において膝を曲げるハムストリングスが床面側)」ということがきっかけだったりするわけですが、

いったん曲がって持ち上がった両下肢が、続いて横に倒れていこうとします。

床面にエアマットが敷いてあったりするとフカフカですから、

なおさら簡単に横に倒れ込んでいきます。

でも、曲がった下肢が横に倒れて骨盤もそれに引かれて一緒に回旋すると、

今度は呼吸が苦しくなります。

骨盤から体幹が捻じれると、横隔膜や胸郭の動きが抑制されていきますからね。

ですから身体は、「曲がったままの下肢が横に倒れていかないように、

立ち直ろうと体幹筋が頑張る!」ということが起こります。

「立ち直り」と書けば良い反応のような印象ですが、

要するに「立ち直るという形で筋緊張亢進していく」のです

「フカフカのエアマットの上に寝かせておくと、

まったく身動きできなくなると同時に身体がこわばっていく」

これは現場で長年頑張っている方々には広く知られた事実です。


ちなみに、この現象(エアマット上で身体がこわばってく)を解消する一つの手段が、

臥位姿勢時のポジショニング」となります。

 


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