認知症による食事拒否、原因と対応方法を探る
【目次】
(我が家に必要なものを抜粋させていただきました)
問題は、食事拒否が続く場合です。なんとか食べてもらおうと、強く食事を勧めたり、理由を問いただしたりすると、食事の時間自体が不快なものとなって、かえって拒否を強めてしまいます。介助を強引に行うと、食卓に着くことすら難しくなってしまいます。毎食無理に食べてもらおうとすることはないのです。
食事がとれない場合でも、果物や牛乳など、少量でも栄養補給できる飲食物をとってもらったり、食欲がなくてもこれなら食べるという食品を探し常備しておくなどの、いわば安全対策も必要です。
認知症の症状の一つである失認は、そうした判断や理解ができない状態であり、失認が原因で食事拒否が起きているのかもしれません。
そんな場合には、「温かいお味噌汁ですよ」と声をかけたり、「おいしいカステラですね」と一緒に食べたりすると、それを食べ物と認識し、食べ始めることもあります。
また、温めなおして香りを立たせる、ご飯をおにぎりにして手に持ってもらうなど、嗅覚や触覚などの根源的な感覚を活かすことで、食べ物の認識が促されることもあります。
原因2:食べ方がわからない
ご飯だけ食べない、汁物には手を付けないなど、特定のものを食べない。食事をしようとしているが、手が止まって戸惑っている様子がある。そんなときは、認知症の症状の失行が原因で、食べ方がわからなくなっている場合があります。
食器から食事を適量、箸でとり、こぼさないように口に入れる。汁物はお椀をそっと持って、口元に運んで、飲む。視覚などの感覚器や運動機能に異常がなくても、こうした一連の動作ができなくなってしまうのが、認知症の症状の一つである失行です。
そんな時には、ご本人の目に入る位置で、ゆっくりと一緒に食事をしてみましょう。見よう見まねで釣られるように食べることもあります。
また、食事の盛り付けや食器を工夫することもよいかもしれません。一品の料理の量が多すぎるように見えると、どのように手を付けていいのかわからなかったり、食器の数が多いと、情報の多さに混乱して集中できなかったりすることもあります。料理を小出しにしてすぐに食べきれる量にしたり、大皿に合い盛りにしてもよいでしょう。
箸の使い方が難しくなる時もあれば、逆に箸を持つと自然に食べ始めることもあります。白い茶碗に白いご飯だと食べなかったものが、お漬物やふりかけをご飯に添える、茶碗の色を変えると食べられるようになることもあります。どんな食べ方がご本人に食べ方を理解させてあげられるか、試行錯誤してみましょう。
原因3:落ち着いて食事できる環境ではない
認知症の症状として集中力が続かないことが挙げられます。そのため、周囲の環境の影響を受けやすく、ちょっとした環境の刺激で食事どころではなくなり、安心で心地よく食事ができる環境ではないと食事拒否につながります。
環境は心や体の内部環境と、周囲の状況の外部環境に分けられます。
内部環境では、腰痛や皮膚疾患が座面にあたるなどで、食事の姿勢が辛いことが挙げられます。クッションや椅子の高さなどを工夫してみるとよいでしょう。また、トイレに行きたいことを表現できない場合もありますし、便秘などの不快感が原因の場合もあります。
また、眠くてぼんやりしていないかなども注意してみましょう。必要に応じて、食事の時間をずらし、先に対応するべき身体状況を解決しましょう。
外部環境では、明るさが明るすぎる、もしくは暗すぎる。周囲やテレビの音がうるさくないかなど気を付けてください。これまでの生活習慣によっては、逆に静かすぎても落ち着かない場合もあります。
介護者がよかれと思って食卓に飾っている花や、壁のポスターなどが気になり、食事に手が付かない場合もあります。
著者
志寒浩二(認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者/介護福祉士・介護支援専門員)
現施設にて認知症介護に携わり10年目。すでに認知症をもつ人も、まだ認知症をもたない人も、全ての人が認知症とともに歩み、支え合う「おたがいさまの社会」を目指して奮闘中。
(編集:編集工房まる株式会社)
昨日検査して下さった先生の説明と重複しているところも大いにあり
ついつい毎日に慣れてしまって 母が認知症であることを忘れがちになる私
我が家としては もっともっと反省しなければいけないところもあり
いくばくかの可能性があるとすれば チャレンジするしかない
と思っています。
【栄養士が回答】高齢母の食事量が少ない。改善方法は?
①環境の工夫
できる限り、ひとりで食べずに誰かと一緒に食べましょう。
また、テレビをつけず落ち着いた音楽を流すことで食事に集中できます。
②五感で食欲を刺激する
料理を作るときの音、料理の匂いなどを感じてもらい食欲を刺激しましょう。
③盛り付けの工夫
たくさんの量を一度に盛り付けず、量を減らして小分けにすることで、見た目の圧迫感がなく食べようという気持ちを起こしやすくなります。
簡単にできる栄養の補給方法
食欲が低下しているときは、噛む負担の少ない適度な硬さ、喉に負担のかからない飲み込みやすいものを食卓に並べて栄養補給に役立てていただけたらと思います。特に汁物は、栄養の補給と同時に匂いも楽しむことができるのでおすすめです。食欲の回復に伴って、通常の食事へと近づけるようにします。
①のど越しのよい食事:茶わん蒸し、かぶら蒸しなどの蒸し物、ゼリー寄せ、コンポート など
②手軽に食べることができる食事:サンドイッチ、そうめん など
③喉に潤いを与える食事:だしのきいた汁物、ポタージュスープ など
④香辛料や調味料を活用する:こしょう、酢(酸味が強すぎないように)、ゆず、生姜、梅干しなど
【原因別】認知症の方に食事を拒否されないための5つのコツ
失認とは、目の前にあるものの意味がわからなくなることで、失行は当たり前のようにしていた行動ができなくなるという症状です。食べ物を食べ物として認識できなくなる、食べ物を口に入れて噛んで飲み込むという一連の動作を忘れてしまうなどの症状があります。 これらの失認・失行の症状がみられる認知症の方の食事拒否を解消するには、食事介助をする人も一緒に目の前で食べてあげましょう。認知症の方もその真似して食べてくれることがあります。 また、食事の前に、目の前にあるものがどんな食べ物なのか説明してあげることも有効です。声をかけて一緒に食べるだけで、食事に対して良いイメージを持つことができます。
認知症が原因で気分の落ち込みやうつ状態になることがありますが、食事を美味しいと感じられないのも気分の落ち込みが原因の場合があります。うつ状態の場合は、行動に移るまでに時間がかかってしまうことがあるので、最初の一口を食べることができればそのまま食べてくれることもあります。味見をお願いするなど、最初の一口を食べてもらえるきっかけが必要です。 また、食事の時間はなるべく誰かが一緒にいるという環境を心がけましょう。一人きりの時間が短くなるだけで気分の落ち込みが少し改善される可能性もあります。
飲み合わせや副作用の相談ができる環境を作ることが大切です。診察や薬の処方をしてもらうときはお薬手帳を必ず持参して、診察時にも食事の時の状態について相談してみましょう。
認知症の方を介護していく上で大切なのは、怒ったり急がせたりしないことです。
認知症に 食べさせる方法に関連する検索キーワード
2018年3月28日撮影 名前も姿も どこかへ行っちゃった
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