人の思いはいろいろですが
いまだによく理解できないものの一つがキリスト教です。
死んだあとは必ず天国に導かれるから?
結婚式は キリスト教会の方が かっこいいから?
日本人とキリスト教:なぜ「信仰」に無関心なのか?
・・・前略
ただし、日本人とキリスト教の付き合いは、実はまだかなり短い。すでに述べたように、日本にイエズス会がやって来たのは1549年であるが、わずか60年ほどで禁教時代に入り、それからの約260年間は信仰が厳しく禁じられた。19世紀後半からはプロテスタントやロシア正教会も日本に入ってきたが、日露戦争や第2次世界大戦の影響で「西洋の宗教」は再び弾圧された。日本で真の意味での「信教の自由」が保障されるようになったのは、戦後新しい憲法が施行された1947年からのことである。こうしてみると、これまで日本の庶民がキリスト教と接してきた期間は、実質的にはせいぜい150年程度にすぎないとも言える。日本人が落ち着いてキリスト教について考え始めるのは、むしろこれからなのかもしれない。
解りやすいお話だと思います。
私が産まれてこの方 今日に至って まだまだ75年だものね。
私たちの地方にも キリスト教布教活動のために
いつも2~3人の方が 一軒一軒お家訪問で
小さな本を置いていかれたりしていましたが
残念な事には 何度読んでも 私には理解不可能でした。
でも世界中に沢山の信者さんがいて 日曜礼拝があって
家族そろって 教えを受けに行くって素敵なことだと思っています。
だから 普段は忘れていても 洋画を見るにつけ ニュースを聞くにつけ
キリスト教の不思議さには はっと目の覚めることがあるのです
で いま目が覚めているところですが・・・
なぜアメリカには熱心なキリスト教信者が多いのか。シンプルな答え
・・・前略
そもそも西欧社会は、キリスト教を中心に発展してきたのだった。神学から、哲学が生まれ、哲学から、自然科学が生まれた。文化芸術も生まれた。民主主義や資本主義も生まれた。ただ、ヨーロッパの国々では,信仰の熱はとっくに冷めて、キリスト教は歴史の一部(日本の仏教のよう)になっている。アメリカは、例外なのだ。
いちばん冷えきっているのは、フランスだろう。元はカトリックだが、フランス革命で、縁が切れた。教会の建物は立派でも、日曜日はガラガラ。礼拝に行くのはいま、人口の10%足らずだ。フランスは、哲学の国になった。知識人は、信仰を持たないことを誇りにしている。
イギリスは、英国国教会。おとなしい。ピューリタンがかつて大暴れしたのが嘘のようだ。
・・・中略・・・
ぽっかり空いた、心の穴。それはアメリカ人が、移民だからだ。
その穴埋めが、キリスト教だ。聖書を読む。遠いパレスチナで、苦難の歴史を歩んだイスラエルの民の話である。イエス・キリストの教えは、昨日のことのようだ。そして、みなで説教を聞く。
「聖書は神の言葉」が、福音派の合い言葉だ。「神の言葉」なら、科学者、哲学者、政治家みたいな、人間の書いた「人の言葉」より格上である。進化論も天文学も人の言葉なら、ただの意見にすぎない。たぶん間違っている。いっぽう聖書は、正しいに決まっているのだ。
でもこの世界のあらゆる出来事を、どうやって聖書から判断する?そこを伝道師が手伝ってくれる。中絶はいけない。イスラエルを支持しよう。LGBTはいけない。トランプに投票しよう。そんな保守的な結論になっていく。
選挙では、聖書を規準に投票する。だから政治家は、うっかりしたことが言えなくなる。トランプとヒラリーでは、トランプのほうがましに見えた。まだしも正直そうだ。そこで福音派の票は、トランプに集中した。
アメリカはとても重要な国だ。でも日本人には、理解しにくい。キリスト教がわからないと、理解できない仕組みになっている。
じゃあ、キリスト教を補助線にアメリカを解明しようと、『アメリカ』という本を書いた。社会学者の、大澤真幸さんとの対談である。新創刊「河出新書」の一冊で、2018年11月発売。キリスト教と、あとプラグマティズムを二本の補助線に、アメリカの深層に切り込んでいる。
明らかになるのは、経済(資本主義)も政治(民主主義)も、自然科学も、家庭も文化芸術も、世俗の生活の隅々にまで、キリスト教が浸透していること。物質生活がそのまま、霊的(スピリチュアル)な生活でもある。そこに、アメリカの秘密がある。344頁と厚めで、読みごたえ十分だ。どうぞお手に取って、じっくりお読み下さい。
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