アイスノンをした母がいた
本人は意外と元気なのだけれど
「熱が出たの?」と聞いても
『知らん』と言う。
知らんと言われても黙っているわけにもいかず
詰め所で聞いてみれば
例のごとく パソコンを開いてはくれるのだが
『あら 今朝も6度5分ですから 大丈夫みたいですよ^^』
と言うので
「どうしてアイスノンしてるのかしらねぇ・・・?」と聞いてみると
『ちょっと お部屋で待っててくださいね』とのお返事。
すぐに係の男の子が駆けつけてきて
『夕べ微熱が出ましたので使ってみました。
今は熱は下がっているのですが
お母さんの頭が斜めに傾いて落ちそうになっていましたので
頭が落ちないように そのままアイスノンで高さの調整をしました。
皮膚科の先生が 床ずれの部分で 死んでいる細胞を切って下さいましたが
その時 麻酔をするまで 痛い痛いとおっしゃっていましたので
多分 今日は お疲れの事と思いますよ…』
やさしい男の子だったけれど 看護士なのか医者なのか不明。
でも みなさんが それぞれに 手当をして下さっているようで安心です
・・・そう思う事にしました・・・
お向かいのお婆ちゃんは ミトンをはめて 時々ひとりごと
窓際のお婆ちゃんは なぜか 心電図つき
真ん中のお婆ちゃんは 鼻から酸素吸入
母の隣は 娘さんなのか ずっと一緒にいて お相手をしています
窓際のもう一人のお婆ちゃんは 静か
考えてみれば
よく声が通っているのは わが母だけ
みんな もごもごで さっぱり言葉が解りません。
母の声は まだ判明する段階だけれど
私との意思疎通は なんだか あっちこっちになって 怪しい世界なり。
手の甲は 紫がひどい
今日は右手に点滴なので
左手をさすろうとしたら
『痛いから 触るな』と言われてしまいました
どうなっていくんだろうね・・・・
2018年11月26日
侘助は ぽとりと音して 落ちていく
お袋もだいぶ弱ってきました。
弱ってきたとはいえ、お袋にとっては僕は息子で、僕にとっては母親です。息子というのは母親に弱いもんで、いろいろと大変なこともあります。
悲しくて涙が出そうなのかも知れません
わたしだって なみだを こらえているのに
もう逃げも隠れもできなくなって
全く静かに暮らしていますが
病院にいても
やはり あわれ です。
あ!そうそう
甘やかしてはいけませんよ
早く呆けますからね