撮影 千田完治
ことの始まりから言うと、お盆は7月15日です。年中行事を考える時にいつも問題になる、旧暦を新暦に換算をしなくてはならないのですが、暑さでそんな面倒なことを書いていると、だれも読んでくれなくなるから、それはほっといて、我が寺は月遅れの八月盆です。仏教のシンボルであり、お盆のシンボルでもあるのが、蓮の花です。そこで、今年のお盆のことばに、古今和歌集に収められている、僧正遍照の歌を紹介します。 歌の意味は平成29年7月28日付け読売新聞第1面の「四季」欄から、俳人の長谷川櫂氏の解説を全文、そのまま引用します。
蓮は泥に生えて美しい花を咲かせる。人もそうありたいと王朝時代の人々は願った。蓮の葉に揺れる玉を詠む。清らかな心の蓮なのに、なぜ露を宝玉のように見せるのか。そう絡まれても蓮は困るだろう。
「なぜ露を宝玉のように見せるのか」と、難癖をつけるのが面白いですね。というわけで、忙しい八月がはじまりますので、このくらいで。