今月は経済学者、楠木建氏のことばです。2010年に出版されて20万部を超えるベストセラーを記録したという著書『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)から略歴を一行だけ拝借すると、「一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1964年東京生まれ」。
それで、冒頭の言葉はどこから引っぱってきたかというと、4月28日(火曜日)付け「日経新聞」朝刊に掲載された「コロナ時代の仕事論」からです。
寺の掲示板の容量からいって、直前の50字ほどを省略しています。その50字は、
「コントロールできないものをコントロールしようとする。ここに不幸の始まりがある」。
「コロナウィルス非常事態宣言」がでている新聞紙上をかざる文句としては、すこしばかり衝撃的ではありますが、説得力があります。
本当は、こんなご時世だから、良寛(1758~1831)さんの「災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。死ぬ時節には、死ぬがよく候。是ハこ災難をのがるる妙法にて候」。を、今月のことばにしようと思っていたのですが、ちょっと、きつすぎる。としりごみしていた時に、みつけたのが新聞紙上にあった現代の経済学者のことばです。
良寛さんと同じことを言っているのですが、語る人が自分で行きついたことばだから、説得力がある。他人が書いた原稿をただ読んでも説得力はないのはあたりまえ。うーん、籠城じゃ。