「そこには お上もいなけりゃ 下々もいなかった.」
「楼の上も 埴生の小屋も 住む人の 心にこそは 貴き 賎しき..』これは
島津日新公のいろは歌である.
私たちは いろは歌で育てられたといっても過言ではない.
貧しいといって卑下する気持ち ただの一度もなかった.資産家だといって傲慢な
ものは 鼻つまみ者で みんなから軽蔑された.
お金に対しての 心構えが違った.
いまの日本に まだしっかり根を下ろしているのが,お上と下々の社会だ.
一庶民と高級官僚だ.普通人と特権階級だ.そういう区分けが最近ひどくなったようだ.
お上は・・・・お手盛りが好きだ.ついこのまえまでは 下々が良く使うふつう電車というのがあ
った.
新幹線は贅を尽くして 指定席で料金が高い.だから下々はがら空きのふつう電車を
使った.景色に見とれながら,写真写しながら,お気に入りのところでは 下車して
その土地の風物を楽しみ 珍しいものを 土産に買って乗り継ぎながら田琵琶する.
「せまい日本 なぜ急ぐ.」言いえて妙.
現在はアプリの横行の時代だ.不必要な機能を満載して実用的ではない.
いろんな天で 思うに 日本という国は まだ開発途上国で教育費を払わなければ
教育もろくすっぽ請けられない国である.地方も国も借金して経営している国である.
借金しないとすべて頓挫してしまう国である.お上はそれでも「世界一」という言葉に狂っている.