主役は几帳面な殺し屋(香川照之)と、ズボラな売れない役者(堺正人)。役者の出来心から、ふたりの人生が入れ替わる。「転校生」などのように身体が入れ替わる話ではなく、殺し屋が銭湯で転倒し記憶喪失になり、偶然その場にいた役者がロッカーの鍵をすり替えてしまうのだ。
そんなにうまく行かないでしょーと思うのだけど、「人生の交換」が偶然にも次々と組み合わさっていく場面がひやひやしながらも楽しかった。几帳面な殺し屋が、総てをノートに記録・分析していく様がとても可笑しい。きっと何をやっても頑張って成功させていく人なのだと分かりやすく見せてくれていた。
対する貧乏役者のほうは、典型的な「何をやっても駄目な人」。根本からダメなのではなく、最初のヤル気が持続せず、ズルズル流されてしまうのだ。たくさんお金があっても、反省したような顔をしても、考えが甘くすぐボロがでる。ばかだなあと思いつつ、こっちに共感してしまう人は多いのではなかろうか。私がそうだから。
婚活中の雑誌編集者(広末涼子)も良かった。この人が職場で婚活宣言するところで、この映画の演出のカタチというか、見る上での心構えが示されているような気がした。決してシリアスに捉えないでください、みたいな。
人を食ったような展開なのだけど、最後はみんなラブ!で締めていて、希望がチラ見えして楽しかった。生真面目にツッコむのは野暮だよね、といったところか。
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