花地蔵つれづれ日記

古美術、芸術全般、日々気になること。

ひおうぎ

2019-07-28 12:10:37 | アート 文化 古美術


ベランダのプランターに植えておいた「ひおうぎ」が、今年は咲いてくれました。
昨年は油虫がついたので、駆除のため薬品を掛けたせいか、花が咲かず「今年も、駄目かな。」と半分諦めていたのですが、予想外に威勢よく咲いてくれました。
眺めているとなかなかの壮観です。
毎日、水をやっていた甲斐があります。
水やりは、何となく僕の担当になってしまい、妻はただ見ているだけです。
「綺麗だわ。」と自分が育てたように喜んでいます。

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銅造阿弥陀如来坐像

2019-07-16 09:45:00 | アート 文化 古美術


平安時代末期から鎌倉時代前期の銅造阿弥陀如来座像です。
像容全体は、鎌倉時代の仏像の様式の特徴を多く備えていますが、平安時代の様式の面影をも残す像です。
表面は火中して肌が荒れています。しかし、この荒れた銅の肌合いは、像に複雑な陰影を与え、味わい深い表情となっています。
弦楽器で言えば、時としてバイオリンの滑らかな音より、チェロの低音が心にずしりと響くように、心打つものがあります。
古(いにしえ)の時代の人々の、祈りという形に変えられた思いが伝わって来るようです。
時代を経た古銅の味わいとともに、心に深く響きます。
顔の造形から仏師の卓越した造形感覚が見てとれます。
見る者を穏やかな気持ちへと誘(いざな)ってくれる、優しい微笑みを湛えています。
平安の香りが楽しめる美しい仏像です。

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魚屋(斗々屋)平茶碗

2019-07-11 08:42:00 | アート 文化 古美術


李朝時代前期の 魚屋(斗々屋)平茶碗です。
轆轤(ろくろ)引きされた胴の部分には細かく水挽き跡が残り、見込み中央には渦状の轆轤目が立ち、茶溜りに至っています。
高台は竹節状をなし三日月高台となっています。削り出された高台内には縮緬じわが現われ、なめらかな胴部と対照的な様相を呈しています。
窯で重ね焼きの際に置く目が多く、目跡が多いことも斗々屋の特徴の一つで、小さな数多くの目跡がリズミカルに配されています。
釉薬の掛りは薄く、器全体の色は、暗褐色から灰色へと移り変わりを見せています。
静かな佇まいの、趣がある茶碗です。

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遮光器土偶

2019-07-08 10:58:58 | アート 文化 古美術


縄文時代晩期の遮光器土偶です。

遮光器とは、イヌイットやエスキモーが雪中行動する際に着用する遮光器(スノーゴーグル)のことで、遮光器土偶とは、目にあたる部分がそのような形をしていることからこの名称がつけられました。

遮光器土偶は、東北地方北部の「亀ヶ岡文化」の中で生まれ、短期間のうちに著しい発展を遂げた土偶形式です。そこで生まれた土器の様式は、総して亀ヶ岡土器様式とも呼ばれています。
土偶は 縄文人たちの「まつり」に供された後、そのほとんどが、故意に壊され、捨てられたようです。この捨てるという行為自体に、実は、私たちの意識を超えた、ある特別の意味が込められていたと考えられています。
これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もあります。また、ひとつの遺跡から数多く見つかることから、呪術的に使われたものともいわれています。
土偶は、縄文世界の祈りの形「ひとがた」に託した呪術具として、縄文人たちの「まつり」において、祈りを受けとめる精霊の「よりしろ」として機能したと考えられています。

背には力強い「雲形文」が配されています。祈りの形の象徴とも言える存在感のある土偶です。堪らなく愛らしい表情をしています。傍で、そっと見守っていたくなるような像です。

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海辺の家々

2019-07-05 16:18:06 | アート 文化 古美術


先日「小嶋優 山田洋次 二人展『英国に臨む』」が見たくて、柏崎の gallery tanne に行って来ました。
やはりウィンザーチェアとスリップウェアが見応えがありました。
両者とも渡英され、本場で学ばれた点では共通しています。
古典を学び、自分の作品に生かしている作家の作品には骨格の強さがあります。
手で造られた工芸の温かさを感じました。
素敵な展示会でした。
帰路の途中、海辺の風景が目に留まりました。
家々が並ぶ景色は、東山魁夷の「年暮る」に描かれたような、
そこに生きる人々の生活の温もりを思い起こさせます。

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