花地蔵つれづれ日記

古美術、芸術全般、日々気になること。

塼 (セン)・飛天

2019-11-28 05:53:40 | アート 文化 古美術


朝鮮半島、三国時代から統一新羅時代の塼(セン)・飛天です。
塼の表面には、浄土の空中を飛びながら、天の花を散らし、天の音楽を奏で、あるいは香りを薫じて仏を讃える天女とされる飛天が、優美に表現されています。
新羅時代の人々の浄土への憧れが、仏教美術として表現されているようです。
眺めていると、新羅の時代を生きる人々の生活の情景が目の前に立ちあがり、そこを吹き抜ける風の香りさえ感じられます。

■塼(セン)とは、中国で焼成されたことに始まる立方体あるいは直方体の煉瓦(れんが)で、黒色か灰色を呈し、城壁・家屋・寺院・墓室の構築に用いられました。秦(しん)・漢代以降は表面に文字や文様を刻んで壁面に用いたものがあり、唐代には浮彫りによる蓮華(れんげ)文や宝相華(ほっそうげ)文などの装飾が施された画像が出現します。わが国へは朝鮮から導入され、仏教建築の建立に伴い、基壇側面の化粧積みや床面に瓦(かわら)とともに利用されました。

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土偶

2019-11-18 06:16:44 | アート 文化 古美術


縄文時代晩期の土偶です。
構造的には、内部に空洞の無い、中まで詰まっている、「中実土偶」(ちゅうじつどぐう)と呼ばれている土偶です。
また、参考資料として掲載しました「土偶・コスモス」 編者MIHO MUSEUM 羽鳥書店 P114 の土偶に類似し、遮光器土偶に似た表現がされています。
形状から、東北地方出土のものと推定されます。
■土偶は 縄文人たちの「まつり」に供された後、そのほとんどが、故意に壊され、捨てられたようです。この捨てるという行為自体に、実は、私たちの意識を超えた、ある特別の意味が込められていたと考えられています。
これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もあります。また、ひとつの遺跡から数多く見つかることから、呪術的に使われたものともいわれています。土偶は、縄文世界の祈りの形「ひとがた」に託した呪術具として、縄文人たちの「まつり」において、祈りを受けとめる精霊の「よりしろ」として機能したと考えられています。
背には流麗な線刻の「雲形文」が配されています。祈りの形の象徴を示す土偶です。力強いフォルムを持ち、その愛らしい表情は、傍で、眺めていると思わず笑みを浮かべてしまいます。

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秦秀雄氏旧蔵の志野輪花呼継小皿

2019-11-01 06:07:45 | アート 文化 古美術


秦秀雄氏旧蔵の志野輪花呼継小皿です。
大胆に呼継と金繕いが施されている小皿ですが、志野の味わいが満喫できます。
存在感のある見応えのある皿です。
傍に置いて、眺めるのも良いですが、つまみでも載せて、桃山の気分を味わいながらお酒を呑まれるのも楽しいかと思います。

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