天沼春樹  文芸・実験室

文芸・美術的実験室です。

烏瓜 

2011年10月30日 17時52分44秒 | 文芸

烏瓜の実、まだ熟さずに小さなスイカみたいな模様をのこして蔓にぶらさがっている。いまはそんな季節。思いがけない訪問者もある。夜になって明日着ていくつもりのワイシャツをハンガーからはずそうとしたら、その襟元に大きな蟷螂が乗っていた。洗濯物といっしょに家のなかにとりこまれたのだろう。緑色の大きな目とにらみあう。鎌をふりあげていないから敵意はないもよう。すばやくつまみあげて、窓をあけ、夜の闇のなかに投げてやる。庭先に落ちていったが、まあ両者ともこれでほっとしたかんじたろう。翌朝、家の前の路上で、みおぼえのある昨夜の彼に出会った。車につぷされてい死んでいる個体もときおりみかける。君は用心したまえ。そういって、いや、声もかけはしないが、とおりすぎた。わが家は、山の中の造成地にあるので、こういう虫たちとの出会いは頻繁だ。


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