自然学校発 黒松内だより

北海道の道南の小さな町、黒松内にある「ぶなの森自然学校」の毎日と周辺のできごとを自然学校のスタッフ達が紹介します。

スタンド・バイ・ミー

2008年06月16日 23時10分58秒 | 日常生活
以下は、子どもの自然体験「イエティくらぶ」の通信に載せた文章です。
せっかくなので、ここでも紹介させていただこうと思います。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

電車。アスファルト。ブロック塀。
俗に言う「コンクリートジャングル」で過ごした僕にとって、
自然というものは縁遠かった。
と思ってました。
でも、思い返すとそうでもなかったんですね。
実は。

セミを捕まえたり、花の蜜を吸ったり、カタツムリをじっと見続けたり。
決して種類は多くなかったけれど、コンクリートの隙間の自然を見つけて
楽しんでいた自分を思い出しました。
そう考えると、子どもの「何かを見つける力」ってすごいんだと思います。

ただ僕には、そこに誰かがいっしょにいた記憶が無いんですね。
だから1人遊びの時期が過ぎると、自然から離れていったのも、
道理だったんでしょう。

「このセミの体すごいね!」
「花の蜜おいしいね。」
「カタツムリってどうやって前にすすんでるんだろ?」

子どものそばに、そんな風におんなじ気持ちでいてくれる誰かがいること。
それを望むことが、贅沢な社会になりつつあることを痛感しています。
そんな未来はイヤだなぁ。

だから僕は、子ども達とおんなじ背丈で話しています。

そばにいる安心感があるから、
聞いて、触って、嗅いで、味わって、じっくり見ることができる。
目の前にある「生」を感じることが、生命をまるごと問答無用で理解することに
通じるんだと思ってます。

ううん、それだけじゃない。

そばの人の感情を受け取って、人は優しくなれるんだよ。
それを伝えたくて、僕は黒松内にいます。
                                  (黒松内:寺坂崇)

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