TPP関連法案(著作権法改悪に注目)は、TPP協定発効まで施行されない

今週号のメルマガの一部を紹介します。

12月9日、参議院本会議で、TPP協定の承認案件とTPP関連法案(「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」)が可決成立しました。しかし、TPP協定は、11月21日のトランプ次期大統領のTPP撤退宣言によって、発効の可能性がなくなり、TPPは漂流状態となりました。

安倍総理は、それでもアメリカ以外の11ケ国が批准手続きをとって、最後はアメリカを説得してTPP協定を発効させると言い張っています。言い換えれば、アメリカ抜きの11ケ国によるTPP協定や、日米FTA or EPAなどは行わない、ということになります。

TPP関連法案は、独占禁止法、特許法、商標法、関税暫定措置法、薬機法(旧薬事法)、畜産物価格安定法、砂糖及びでん粉価格調整法、著作権法、(独)農畜産業振興機構法、特定農林水産物等名称保護法(地理的表示法)、日豪協定情報提供法など11本の関係法律の改定がパッケージとなって一本の法律になったものですが、この法律の附則第1条に、「この法律は、環太平洋パートナーシップ協定が日本国について効力を生ずる日(「発効日」)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する」とあるので、地理的表示法以外は、TPP協定が発効しない限り、施行されないことになりました。

まさに「大山鳴動して子鼠一匹」状態です。

なかでも、著作権改悪法(保護期間を50年から70年に延長・非親告罪化・法定損害賠償等)については、特に強く反対してきたので、日米二国間交渉で改悪法が踏襲されることのないよう、監視していきたいと思います。

一方、TPP漂流で注目度が高まったRCEP〈アールセップ/東アジア地域包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ)〉は、15の交渉分野(TPPの21の交渉分野から、概ね、国有企業・政府調達、労働、環境分野を除いたもの)のうち、「経済技術協力」「中小企業」の二分野で合意し、次回以降「サービス貿易」「知的財産権」の交渉が行われるようですが、今のところ著作権法改悪の議論は出ていないようです。

RCEPは、関税撤廃率(自由化率)を協定発効時65%、発効後10年で80%とすることで合意しており、16ケ国全てでwinwinの関係を構築するためには適切な目標だと思います。

日本は漂流したTPPの基準をRCEPに決して持ち込んではならない、と思います。

●内閣官房HP「TPP関連法案概要

●外務省HP「RCEP

●経済産業省「RCEP

 

 

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