風の向くまま気の向くまま

気まぐれに愚直にいきましょう

「あのぅ、どちらの方でしょうか?」

2006-09-15 23:55:59 | 私信
今日で今回の出張業務を全て完了した。
大きな問題は無く、この結果は今タイで手がけている欧州モデルの設計が前進したことにもつながり一安心である。

実は帰国便(ロンドン-成田-バンコク)のアレンジがまだ決まっていなくて来週の火曜日にバンコク着であれば何とかアレンジできそうであった。
先週の木曜早朝にバンコクを出て以来、移動も含めると休み無しで働いているため火曜の午後3時くらいにバンコク着で水曜から出勤のつもりでいたがタイに連絡すると僕の担当する業務で日程アレンジが上手くいっていない部分があり、火曜の午後3時に日本とTV会議を予定しているので帰って来いとのこと。
日程アレンジが上手くいっていないのならその時点で僕がどこにいようと連絡が来ないといけないが、その連絡はなく帰国後の出社を見込んで会議だけ決めておいたということか。
日本とは7時間の時差があるので、こちらの定時間外にメール、電話を利用すればかなりの対処が出来たはずだがそこに考えが及ばず、ただ業務が放置されていたことに呆れるのと同時にこの人の下ではこれからもこの手のことで苦労するんだろうなと思うと一気に今回の出張の疲れが襲い掛かってくる。
しかし、会議には出席しなければならない。
久保田さんとスコットランドにある工場の庶務を担当しているヒロミさんにアレンジをお願いし、オランダ(アムステルダム)経由バンコク行きの便を予約する事が出来た。
この便だと日曜日の午後2時頃にはバンコク入りできる。
というわけで、一瞬日本に帰国してからバンコクに戻る予定はキャンセルになってしまった。
音楽仲間の女性の将来の旦那が反町あたりに料理屋を出したと聞いていたのでそこには立ち寄ろうと思っていたがしかたあるまい。

止む無く、今晩もジュネーブ空港近くのホテルを予約。
夕方5時くらいにはチェックイン。
少し寝てから夕食をとりにホテルのレストランに行く。
接客してくれたボーイさんは何処から見ても東洋人。
先に彼が生まれはどこかと尋ねるので、僕が日本人であること、仕事の都合で6月からはバンコクに住んでいること、今は出張でスイスに来ていることを英語で伝える。
「君は?」
と聞くと、彼は
「私は中国から来ました」
と答えた。
名は"JIN"ですというので、そりゃぁあんたけっこう強めのお酒と一緒ですね?と言うとウケてくれた。
いい奴だ。
僕が日本人であることを知った後、彼は片言の日本語で接客をしてくれた。
スイスではフランス語、ドイツ語は必修で多分客の中には英語オンリーの人もいるだろうから、おそらく彼は程度の差こそあれそれらの言語と母国語、そして片言の日本語も話せることを思うととても優秀なのに違いない。

今回の出張は、ホテルで、レストランで、本当に意外な出会いが多かった。
全部の旅程は7日のバンコク発に始まり、日本-英国(ロンドン・ヒースロー空港内のみ)-ベルギー-フランス(パリ・シャルルドゴール)-スイス-オランダ(アムステルダム)、そしてバンコク戻り。
なんとも豪勢な出張のようであるが、スーツケースと、液晶TVそれぞれ20kgを運びながらの移動はそれなりに大変である。
移動には電車も何回か利用。
カートの無いところでは手作業で運ばなければならないし、電車の昇降でも一苦労(電車の昇降口の高さがホームより高く、3段分のステップがついている)。
しかもそれらの作業はスラックスにネクタイ姿で…。
仕事といってしまえばそれまで。
行ったことの無い人たちから見ればとても羨ましく見えるであろう海外出張も、その目的によっては業務以外に大変な部分がある。
決して観光があるわけでもなく、ホテルと現場以外は移動のための通過点である。
それでもなお海外出張が好きなのは意外な出会いが待ち受けていることを知っているから。
すごく単純に胸の中にとても暖かなものが生まれる瞬間にいつもほだされてしまうから。
今回の出張もまた、そんな瞬間を幾つも経験しきっと忘れられない日々になったと思う。

来週からはまたバンコクでの生活が待っている。
充電は十分である。

「あのぅ、タイの方でしょうか?」

2006-09-15 23:54:34 | 私信
今回の仕事の最終目的地スイスはジュネーブにあるカスタマーサービスの事務所で仕事をした。
昼の12時を前に、この近くにはタイ料理のレストランしかないがそれでもいいかい?ときくのでもちろん大丈夫だと答えた。
行ってみると、そこは個人経営の小さなタイレストランで、オーナーと思われる男性一人とウエイターの女性一人、厨房にはまかないの女性が二人。
オーナーは多分、タイとどこかの国との混血だと思う。
会社で見るタイ人と比べるとどこか違う。
隣に座った久保田さんが
「タイ語で水って何ていうの?」
聞くので
「『ナーム』って言うんだ」
と会話していたら、オーナーがネイティブなタイ語で「ナーム!」と笑いながら繰り返してくれる。
オーナーはとても気さくで且つダンディな方。
メニューにはフランス語、英語、ドイツ語、そしてタイ語のアルファベット表記が書かれている。
タイ語の料理名にはだいたい材料と調理法が含まれているので、知ってさえいれば英語表記よりもイメージしやすい。
好きなソムタムをオーダーしようか迷ったが、ここは欧州なのでメインの料理が多く残してしまっては失礼なので思いとどまった。
後でちょっと後悔したけど…。
結局、白身魚のフライにタイ風のあんかけとタイ米のランチセットをオーダーしたが味は欧州よりにアレンジされていたもののなかなか美味しかった。
欲を言えばもっと辛くしてもらえばよかったか。

食事を終えて、まかないの女性に「料理美味しかったです!」とタイ語で言ったら通じましたよ、ちゃんと。
一瞬、タイ語を話す日本人(片言ではあるけれど)に驚いた様子だったけど、嬉しそうに「また来てくださいね」と返してくれた。
オーナーにもタイ語で挨拶をして店を出ることに。
また、行きたいなこのお店。
洋風のカウンターもあって、あまり有名ではない洋酒も各種揃っているし壁にはハードダーツの的がかけられているし。
夜もきっと楽しい時間を過ごせるに違いない。
今度来る時はもっとタイ語を話せるようになっているからさ。
バンコクの話をいっぱい報告できるはずだ。
また会おう!