透明な石2011

2011-05-04 11:12:39 | AROUND THE N818

 

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パソコンで打ち込んでくれ、と新里陽一さんから頼まれた原稿。背景にある事件のことは、よく分からない。んで、結構前の話だ。
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秋田に来た子連れのお母さんたちへ
   -こそ泥は、大泥棒にはなれんのじゃよ!
 僕は1949年、雫石生まれの新里陽一と申します。20才頃から関東方面で美術活動を始めました。2001年に、雫石に戻ったのです。そのことで、町内で行われている「軽トラ市」というものを知ることになりました。
 この度、第一回目となる5月30日に行われたそちらの主催する会場に雫石町から「軽トラ劇場」として参加することが出来たのです。僕は傷付き失望しました。僕の心を傷付けたのは、子連れのお母さんたちと思うのですが、その人たちが、僕の作品を勝手に持って行ったと想像することなのです。もちろん責任は、こちらの方にあるということは認識しています。
 僕はこれからも喜んで雫石町の「軽トラ市」に参加しようと思っていたのですが、それもかなわぬこととなりました。
 自分に腹が立って仕方ありません。
 どうぞ、第二回目もあるであろう催しには、僕のように傷付く人間を出さないようにしてください。子供をこそ泥にするお母さんたちが増えてはいけません。こそ泥は、決して大泥棒にはならないのです。僕は大泥棒が好きです。主催側の感動に酔いしれる大泥棒を育ててください。
 心より応援しています。
                   YPギャラリー主宰 新里陽一 (2010年6月6日)
 事実
 -2011年4月17日のこと
                 藤崎しげる
 大分むかし、死んだ妻がハッキリと僕の耳元に静かな口調で話したことがあった。
「あなたのつく嘘は、ボソボソグズグズとしていてすべて分かってしまうの。だからわたしは、安心してあなたを選びました」
 君って、・・・・・・
 君と会いたくなかった。
 僕だもん。
 君と会いたくなかった。
 僕だもん。
 君って、誰さ。
 僕だもん。
 帰ってくれ、二度と来るんじゃネ!
 その日の夕方は世間全体が落ち込んでいた。震災の後である。一人になった僕は、空しくなりこの嘘話の原稿を、後日来るであろう知人に見えるようにして図面大の上に置いたのだった。知人は、見てくれたらしい。僕は救われたのだと思った。僕は、その知人を友と呼べることの幸せに感じ入った。
 事実は、真(マコト)も言わんし嘘(キョ)もつかん。
 P,S
 バレナイ嘘は、簡単です。
 バレル嘘は、難しい。
                (2011.7.1)
  
 

 


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