それは、既に造形でしかなかった。3時33分、聞き慣れた声を僕は夢の中で聞き、付けっぱなしの腕時計で時間を確認し、素早く身体を起こし、ただならぬ空気の震えを感じつつ、声の元へ急いだ。 . . . 本文を読む
前回のあらすじ:結局、誰も音楽を教えてくれなかった。僕は音楽をできる状態に居続けることしか、してこなかった。後篇にも登場人物が3人いる。彼らもまた、何かを教える人たちではないことを想像するのは、難しいことではない。前回はダラダラと長かったので今回はシュッと書こうと思う。 . . . 本文を読む
有名、無名に関心を持たないで、僕に音楽を教えてくれた人たちがいた。3人いた、そういえば。多分、皆、無名の(当時!?)、ミュジシャンだった。時系列順にすると、カワダ君、イビさん、みっちーという順だった思う。一様に、僕に彼らはこう言った。「そのままで、いいよ」・・・面倒臭かったのかもしれない。だけれども・・・。今回、長いです。 . . . 本文を読む
あらすじ。粗末な地図とおんぼろのレザージャケットを着ておんぼろのブーツを履いた僕は、古い街で途方に暮れていたわけで、そこに現れたおっちゃんの話。いまになって、ふと思い出して、あれこれ捻くり回してみたんだ。他にすることは、幾らでもあるのに…。今回は、長いっす。
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ハンガリーのブダペスト、僕が持っている大きな縮尺の地図は東欧をほぼカバーするが、当然、街の地図などはカバーしていない。半分だけ乗り方が分かったような地下鉄は余り多用することができない。したところで、駅の読み方すら分からないから、そこに何があるかなんてもんは、雲の上だ。従って、仕方なく、歩くことにした。そしたら…!? . . . 本文を読む
ガンガーの辺のガート(火葬場)の傍にある廃屋に立ち、もうもうと立ち上がる煙に巻かれて、眼下では骸が焼かれていた。それを目の前にして「こんなんじゃねぇ!」と、思った。景色があった、目の前で焼かれていた。駅に辿り着いたのは半死半生のタンパク質、豪奢であったり豪奢でなかったりする、タンパク質。ガンガーに流される為のタンパク質。動く、意志を持つタンパク質は「そうじゃねぇ!」と思って、少し前のことを思い出していた。 . . . 本文を読む
眠らない街まで電車で15分にある「蕎麦が美味しくて緑が豊かな街」時代の話。僕は眠らない人間で、強迫神経症を患っていて、アルコール中毒だった。テレビもCDプレイヤーも洗濯機もない、殺風景な部屋で毎日ビールを1ℓとワイン750ml×2…、それらを2年半、飲み続けた。インフルエンザを大きく患い、中毒症状が去った。その時の青空の美しさを、今でも思い出す。そんな僕の周りには異様な人たちが行き交っていた。彼らは決して掴めない人間だった。彼らの中に居て、歪な笑顔を振り撒いていた頃の、お話。 . . . 本文を読む
画像は雫石にあるYPG(YELLOW PLANT GALLEY)です。STANDING EXHIBISION をやっています。雫石にお立ち寄りの際、如何でしょうか?タイトルにある「山ちゃん」は関係ありません。 . . . 本文を読む
雫石町にはYPG(YELLOW PLANT GALLERY)というギャラリーがある。立体造形を専門とする竜川のメダカさんは、アトリエ(N2スタジオ)兼ギャラリー兼住宅としてYPGを、今から6年前にオープンさせた。
新年の挨拶の為、僕は新聞記者の友人とYPGを訪れた、それが1月2日…で、一昨日のことだ。僕はYPGを訪れるのは初めてだったが、新里さんとは何度も顔を合わせているので「何とかなるだろう」 . . . 本文を読む