ニュースでちらっと見たが、議事堂をあんなに大勢の人が取り巻く光景を久しぶりに見た。
組織された労働組合員が動員されて集まったのではなくて、法案に危機感を感じる高校生を始め子連れの主婦まで、参加者は自主的に集まってきているところがすごい。
これは簡単に無視できないだろう。これを無視するような事があったら、それこそ民主主義の壊滅につながる。
ぜひとも参加したかったのだが、午後からは2か月前に決めていた句会である。
後ろ髪をひかれつつ新大久保にいた。
初めて降り立った街は、驚くべき街だった。
山手線の改札を出た途端、とてつもない違和感に包まれた。この界隈で吟行するのか…
若い女性が圧倒的に多い。それも高校生から大学生くらいの年代に集中している。
コリアタウンとして有名だからか、目に飛び込んでくるのはハングル文字ばかり。しかも食べ物屋が並ぶ一角では大きな看板に料理の写真と説明文が重なり合うように書かれていて、その料理自体も極彩色だから、目にうるさいと感じられるほどで、街から落ち着きを奪っているかのようである。
信号待ちしている若い女の子たちのそばに立って耳をそばだててみると、日本語以外の数ヶ国語が飛び交っている。
若い子たちでごった返している韓流百貨店なるものを覗いてみたが、ブロマイドやらアクセサリの類がズラーッと並んでいて、こちらの価値観ではがらくたばかりなのだが、目を輝かせて選んでいるのが奇異に感じられる。
「イケメン通りというのがあるらしいの。私絶対そこに行く!」と句友のおばさまが意気込むので、ついつい後からついて行った。
結局、目的の路地は見つからなかったが、喉も乾いたので入った喫茶店も特筆ものであった。
2階の4、50人の座席のある、割と広いスペースに座っているのは女性ばかりで、イケメンの店員3人以外、男は私1人。紅一点とは真逆の”黒一点”。
しかし、ああして女性ばかりに囲まれてみても、身につけているファッションは一様にダサく、垢ぬけていないのである。
どうしてあんな格好しかできないのか不思議である。
美人はこの街には来ないのかもしれない。
いやはや、不思議な街である。
横浜の中華街も途方もない異空間そのものだが、身近にあって見慣れているせいもあるのだろう、違和感というのは感じないんだよな。
そういう意味で彼我の差は小さくないように感じられた。
慣れだけの問題かもしれないが…
句会の場所は異空間の街の、これまた異空間の「北海道・アイヌ・創作料理の店 ハルコロ」。表の看板には「鹿肉」と大きく書かれていた。
ギョウジャニンニクのお浸し、ホッケの開き、ルイベ、「これを食べると明日の朝は元気が出過ぎて大変ですよ」と店員さんがいうエゾシカ肉のたたきなどなどが出てきた。
真面目に句の批評をしあっていたものだから、肝心の味には集中していないが、目からうろこが落ちるような逸品には出会えなかった。
アイヌの人はもっと上手に煮炊きしてたんじゃないのかなあ。
この日の兼題は「蝗」。以下はわが提出句。
堅き脚舌に残りし蝗かな
其はイナゴ豊かさ遠し脛細し
猛暑日は早過去のもの8月尽
老先生ひらりひらりと夏期講座
駅出れば突如の異国秋の雨
アイヌ料理の店の看板
山手線新大久保駅
ソウル市場の酒売り場
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