「米国版はやぶさ」ともいわれる小惑星探査機「オシリス・レックス」が21日、小惑星「ベンヌ」に着陸した。日本のはやぶさと同様に小惑星のサンプル採取に成功したもようだ。2023年9月に地球に持ちかえる。米国が日本の後追いといえる計画を実行するのは、それだけ小惑星探査が今後の宇宙開発に重要な意味を持つことを表す。米航空宇宙局(NASA)の探査機、オシリス・レックスは日本時間の21日午前7時ころ、ベンヌに着陸した。はやぶさ2と同様に表面に接してすぐに離陸する「タッチ・アンド・ゴー」方式で、表面のちりや石などのサンプルを採取したとみられ16年9月に打ちあげられ、18年12月に小惑星ベンヌに到着。その後1年以上かけて詳しくベンヌを観測し、着陸地点を決めるなどの準備を進めた。着陸地点の選定には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から提供されたはやぶさ2の経験もいきた。
NASAがオシリス・レックスに投じる予算は約10億ドル(1000億円強)と、はやぶさ2の289億円の3倍以上にものぼる。15年に冥王星に到達した「ニューホライズンズ」、16年から木星を詳しく調べる「ジュノー」に続くニューフロンティア計画の探査機の第3弾で、NASAの太陽系探査の中で重要な位置を占める。米国は冷戦終結後も、世界の先端を行く宇宙開発・探査にこだわってきた。世界で初めて冥王星に到達したニューホライズンズのように、先行するニューフロンティア計画の2プロジェクトも例外ではない。
小惑星探査は太陽系の歴史や地球の生命の起源を調べる科学的な研究でも重要だが、それだけではない。小惑星にはりゅうぐうのように生命のもとになる炭素や有機物が豊富なタイプや、金属を多く含むタイプなどが存在する。金属に富むタイプでは、直径1キロメートルの小惑星に3000万トンのニッケルや150万トンのコバルト、7500トンのプラチナなどがあるという試算もある。また小惑星と同様に小さな天体の彗星(すいせい)は豊富な水の供給源と期待される。以下略 原文を (* 日経 記事より、CG:小惑星ベンヌに着陸するオシリス・レックスの想像図_NASA提供) . . . 本文を読む