日々の移ろい

葬儀を前に 母は

たとえ シンプルなお葬儀とはいえ、

手順や時間が気になる母(87歳)は、

明日は何時に○○をするの?

とか、

支払いは、いつ?

と、何度も私に聞いてきた。


また、父の顔に被せた白布を、
何度もめくっては、

薄目を開けているね、

目が閉じれなかったのかね?

と、眺めていた。


父は、母をよく泣かせた。

決して、夫婦仲が良かったとは 言えない。

私も小さい頃、布団の中で、
夫婦喧嘩を聞きながら、辛かった。

それでも、よく添い遂げたと思う。


こんな母だったから?
また戦前の女性は忍耐強いのか?
または、離婚というハードルが高かったのか?


ドラマなど、最期に奥さんへかける感謝の言葉を、一言も口にせず、

話す事も出来ない状態になってしまった父。

葬儀を前に、母へ 私が

無事お父さんを送ってあげて、
お母さん 頑張ったね!

と、父の代わりに 褒めたあげたいが、

きっと父なら、

いちいち 言わなくても分かっているだろう!

と、渋い顔をする様子が 目に浮かぶ。
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