天国へのポストに行ってきた。
珍しく、嫁さんが旅行に行こうと言う。
天国への便りが届くという黄泉平坂というのが島根県にあるらしい。ネットで調べると確かにある。でも、島根県は遠いし、交通の便も悪い。新幹線を利用しても、飛行機を利用してもわが家から7時間はかかる。
ただ行ったことはある。出雲大社や島根ワイナリー、足立美術館はいずれも3回は行った。いいところであることは間違いない。その3回はいずれも車で行った。仲間や先輩とだったの交代で運転して。
やっぱ車しかない。そこで愛する娘にお願いすることに。
「いいよ~」たぶんこういう応えだったろう。嫁さんがお願いしたので。
遠かった、やっぱり。
途中カメムシが車の中に入って来る騒動があって、眠気が吹き飛んだけど、それまでは、眠いいのなんの。夜中というか早朝というか、0時過ぎに出発して目的地に着いたのは、たぶん朝8時ころだったか。きつかったあ~。
娘と二人で交代運転の何回目かのトイレ休憩の後、娘が急に「私臭くない? カメムシついてないー?」
急ぎ車を降りて、娘の体ははたいたけれど、感触はない。
でも車に戻ると、
「やっぱり、くさ~い。車の中、どこかにいるよお~っつ」
というような、感じでしたが、何とか30分ぐらいで臭い納まったのでした。
でもなんででしょう。嫁さんと娘が騒動する割には、私には全く匂いがしなくて。これは男と女の違いなんだろうか。
乃南アサの小説にも臭いに敏感な女性の話が頻繁に出てくるけれど、男にはわからない。きっと女性には自分と子供を守るための嗅覚が発達しているのだろう。敵か味方を見分けるための。いち早く危険を察知するための嗅覚が。
さて、黄泉平坂到着しました。予想通りの小さなは祠というか、ポストというかがあって、嫁さんはその場で手紙を書いて、封筒に入れて投函。娘は前もって準備してきたという封筒を投函したのでした。
私は書こう書こうと思いながらも、農業がきつくて、というよりやっぱりかけなくて、でした。
嫁さんのほうはある程度想像していたけれど、もちろん娘もたぶん準備してるだろうなとは思いましたが、やっぱりうれしかった。兄への手紙でした。
嫁さんは長男への。私にとってもそうだけど、私は書けませんでした。