亡くなった父の手が大きいことをほめてもらったことがある。
体はとても小さいのに確かに手だけはデカかった。節くれだって、指の1本、1本が太かった。
褒めてくれた上司は、あれだけで人生を感じたことみたいなことを言ってくれた。
私が定年後農業を始めた時も、あなたの手もお父さんみたいになるのでしょうと、年賀状に書いてくださったが、そんなことはない。たった3年ぐらいでは、なれるはずがない。
ところがこんな私にも、いかにも百姓らしいところがある。
足 だ。
大きくはない。むしろ体に比例してとっても小さい。
ところがだ、幅がむやみに広い。
普通の足は、指のある足先から、かかとまでほぼ並行して同じ大きさだと、ある年齢になってから知った。もちろん友達の足を見てだ。
ところが、私の足はつま先が太くて、かかとに至って小さくなっている。
これは、たぶん、田んぼで足を踏ん張ることが多いので、横に倒れないようにとの頑張りから来たものではないか。
父やご先祖様からの遺伝であるかもしれないし、自慢ではないが、小さいころから父に手伝わされたことへのご褒美かもしれない。
ところが、これがスポーツでは合わない。
合うシューズがなかなかないのだ。どうしてもひとサイズ、ふたサイズ大きめのシューズでないと横幅が入らない。その分重くなる。以前は長距離を走っていたので、そのことが妙に気になっていた。どうせ素人の走りなのであんまり記録は関係ないけれど、シューズを合わせるのには苦労した。
自慢できることでもないし、かっこいいことでもない。
でも、とにかく百姓をしていることへのご先祖様からの贈り物か、はたまた、私自身の努力へのご褒美なのかーこれも少しは含まれているのだと解釈しよう。
ありがとうございます。