
第56回というのに、その存在を知らず、はじめて「創書の会」書展を拝見。
途中、名称が変わったらしく「守破離」は聞いたことはあったが。
案内には、“一般的にいううまい書、上手な書、ではありません” の一言に導かれ伺った。
訊けば、小林龍峰の流れにあるとう。
小林龍峰はペン字で名のある印象があるが、もともと書の前衛の一角を担う草人社系。
この草人社の系譜の書流は、岡部蒼風にしろ、まったく理想的で、俗世間の栄誉名誉とは縁遠く生きたので、書壇の書流からも消えそうなほどであることが危惧される。
そんな中の存在感を示す銀座での展覧会であるが、どっこい、滋賀県での教育は唯一、書き初めなど毛筆が、よくある立派な上手い書のお習字ではなく、不自由な毛筆の魅力たっぷりの作品が並ぶというのを聞いていたが、これは、ペンは書写のきれいを追求。筆は、造形表現としての魅力を。という小林龍峰の主張を唯一、県単位の学校教育のなかで取り入れた成果だという。
どちらがいいというわけではないけれど、“臨書が基本”という発想も、この会にはないという。
私自身は、臨書という勉強方法、古典を観る、という書家の発想をもっているが、そこに縛られてはいけないとよく思っている。
天真爛漫の書はある。
ここからは宣伝である。
11月12日土曜日午後、素人さん歓迎、映画を観て、そこから出てきた言葉などを書くという最初で最後のイベント。
「無伴奏を観て、書く」
池袋コミニュティ・カレッジ(03-5949-5488)にて、13時半から17時半。会費4000円。
次の作品のクランクイン直前に、矢崎仁司監督もきてくれて一緒に、映画から生まれてくる書をお互い鑑賞していこうと思う。
筆、半紙でなくても、筆ペンでも鉛筆でもスケッチブックでもOK。
面倒な方は持参品なくても。こちらでも、筆や半紙くらいは用意しておきます。
写真は、銀座のあと、ある料亭で行われた常磐津の会へ。そこに掛っていた大観。
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