OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

アントニオ・ストラディヴァリ

2010年12月03日 | 書道・筆文字
師走になると、コンサートも多い。この時期の活動は、一部では“餅代稼ぎ”という、と某声楽家に聞いたことがある。

18世紀の名器であるストラディヴァリウス11台を用いて、ベルリンフィルの弦楽奏者13人のコンサートがあると今日の新聞広告にあった。
日本でもこの名器を使っている奏者もいるらしい。すでに文化財であるし、オークションにでても何億もするので、組織からの貸与もあるし、お金があれば力量はさておき所有する者もいるらしい。

さて、文房四宝もさまざまだが、筆も半紙に数文字書くくらいの筆で何万もする筆を使う人もいれば、数千円の人もいる。私はかつて前者だったが、今は数千円どころか数百円の場合もある。
いい筆は“筆の先が利く”とか“腰がつよい”とか……。

音楽と書は、一回限り、一回性、強弱、リズム等々、似ていることも多い。しかし、音楽家が一音ずれてしまったら大変であるが、書はそれも許容する。伸びるところで伸びなくてはどうしようもない曲に対して、書はそれでも魅力的に映してしまう場合がある。

プロの書家はいい線を願うが、あまりそれを意識しすぎると書の本来の味を忘れる。
“弘法筆をえらばず”じゃなく、本当は“弘法筆をえらぶ”だとプロは教える。その通りだが、また“筆をえらばず”も書の魅力の根源的な姿であると思う。

この秋も失礼した展覧会・イベント多数。深謝。抱えている仕事やなにやら無い場合にはひょっこり顔を出させていただきます。

ご縁あるお勧めイベントは、

染織iwasakiとekka
『ゆきかうものⅩⅢ』は、4日から10日まで、新高円寺近くの、GALLERY工。
あったかい製作者の岩崎夫妻と九州と東京をまたにかけて活躍するデザイナーのコラボは、毎回人気のようですが、このギャラリーもいいです。

土屋典康作陶展
5日から13日まで、歌舞伎座、東銀座駅近くの、ギャラリー江で。
書と陶芸は趣味的に成りすぎて、いいものが分からなくなってしまった時代。ひとつのあり方として、陶の気を伝える求道的作家だと思う。

さて、私はこれから、新国立美術館へ。
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