毎日新聞 2023年4月10日付 鎌田 實(医師・作家)「さあこれからだ」の記事より
「90歳の壁を五つの「活」で元気に乗り越える人を増やしたい」
70代で介護が必要になる人がいる一方で、80歳になっても旅をしたり、アクティブに生活を楽しんだりしている人がいる。
この差はいったいなんなのだろうか。
老い方には、 その人の生活習慣、環境、生き方が大きく影響する。 個人差がとても大きいのだ。そこに加えて、この数年間
のコロナ生活は個人差を広げてしまった。
ニッセイ基礎研究所の「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」では70代で外出頻度が週1日以下の人の割合は、コロ
ナ前は約8%だったのが、コロナ後には約22%に増加した。
外出が減れば当然、活動量も減り体力も低下していく。
現状でも85歳以上になると、約6割の人が要支援・要介護になるが、このままではコロナが収まっても、要支援・要介護の高
齢者がさらに増えるのではないかと心配している。
90歳の壁は、 50年近く健康作り運動に取り組んできた僕にとっても、手ごわい壁だ。ただ長生きするだけなら、それなりに
長生きできる時代になった。90歳を過ぎても元気に生活するには五つの極意がある。
①腸活 がんの予防やコロナ感染症の重症化を防ぐには免疫力が大事だが、その免疫機能の中枢は腸にある。腸では幸せホル
モンといわれるセレトニンが作られるので、腸が元気だとストレスに強くなり、幸せ感も強まる。腸と脳は「脳腸相関」とい
われるつながりがあり、心の安定や認知機能などにも、腸の健康が一役買っている。発酵食品や食物繊維をとり、腹式呼吸を
して自律神経を整えることをお勧めしたい。
②脳活 認知症は90歳を過ぎると急激に増え、男性では2人に1人、女性では3人に2人が発症するといわれている。歩幅が狭
くなると男性で2・3倍、女性で5・8倍、認知症リスクが高くなるため、ウオーキングの際は幅広走行や速度を取り入れたい。
③脈活 血管を若々しく血液の流れをよくすることを「脈活」と名付けた。 血管を老化させるものは高血圧や糖尿病、 肥満。
その結果、 太い血管に問題が起こると脳卒中や心筋梗塞など、命や生活の質に大きくかかわる病気を起こす。1人の体に走る
血管の9割は毛細血管で、皮膚のしわ、冷え、むくみなども毛細血管の老化が原因である。血管の若返りには抗酸化力をもつ
野菜をとる。野菜たっぷりのみそ汁や野菜ジュースをとり、運動習慣をつけると血管はしなやかさを保ち、血流もよくなる。
④眠活 睡眠は体や脳を休めるために重要であり、 健康の基本だ。 睡眠の前半に訪れる深い睡眠のときに分泌される成長ホ
ルモンは筋肉や骨の量を増やし、 代謝を調節し細胞が修復されるため肌なども若返る。 睡眠の後半には、コルチゾールが分
泌され、体に蓄えられたブドウ糖や脂肪をエネルギーに変えてくれる。またいい睡眠は記憶を定着し感情も整理してくれる。
一晩寝ると、いやなことやどうでもいいことは自然に忘れられるのだ。朝太陽に当たり日中に運動すること。
⑤筋活・骨活 90歳になってもスイスイ歩けるようにするには、 筋肉や骨が大切というのは言うまでもない。だがそれだけ
にとどまらないのが、筋活・骨活の効果だ。
腸の働きをよくする「腸活」や認知症予防の「脳活」にも、睡眠の質を高める「眠活」にもそして血管を若返らせる「脈活」
にも、運動が密接に関係していることがわかった。つまり、最も重要な土台は筋活・骨活なのだ。
これら五つの「活」に注目することで認知症にも寝たきりにもならず、 90歳の壁を越えていく人を増やしたいと思っている。
私自身この記事を読んで腸と脳の「脳腸相関」ということと、歩幅と認知症の関係というのを初めて知りました‥(@_@;)
「90歳の壁を五つの「活」で元気に乗り越える人を増やしたい」
70代で介護が必要になる人がいる一方で、80歳になっても旅をしたり、アクティブに生活を楽しんだりしている人がいる。
この差はいったいなんなのだろうか。
老い方には、 その人の生活習慣、環境、生き方が大きく影響する。 個人差がとても大きいのだ。そこに加えて、この数年間
のコロナ生活は個人差を広げてしまった。
ニッセイ基礎研究所の「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」では70代で外出頻度が週1日以下の人の割合は、コロ
ナ前は約8%だったのが、コロナ後には約22%に増加した。
外出が減れば当然、活動量も減り体力も低下していく。
現状でも85歳以上になると、約6割の人が要支援・要介護になるが、このままではコロナが収まっても、要支援・要介護の高
齢者がさらに増えるのではないかと心配している。
90歳の壁は、 50年近く健康作り運動に取り組んできた僕にとっても、手ごわい壁だ。ただ長生きするだけなら、それなりに
長生きできる時代になった。90歳を過ぎても元気に生活するには五つの極意がある。
①腸活 がんの予防やコロナ感染症の重症化を防ぐには免疫力が大事だが、その免疫機能の中枢は腸にある。腸では幸せホル
モンといわれるセレトニンが作られるので、腸が元気だとストレスに強くなり、幸せ感も強まる。腸と脳は「脳腸相関」とい
われるつながりがあり、心の安定や認知機能などにも、腸の健康が一役買っている。発酵食品や食物繊維をとり、腹式呼吸を
して自律神経を整えることをお勧めしたい。
②脳活 認知症は90歳を過ぎると急激に増え、男性では2人に1人、女性では3人に2人が発症するといわれている。歩幅が狭
くなると男性で2・3倍、女性で5・8倍、認知症リスクが高くなるため、ウオーキングの際は幅広走行や速度を取り入れたい。
③脈活 血管を若々しく血液の流れをよくすることを「脈活」と名付けた。 血管を老化させるものは高血圧や糖尿病、 肥満。
その結果、 太い血管に問題が起こると脳卒中や心筋梗塞など、命や生活の質に大きくかかわる病気を起こす。1人の体に走る
血管の9割は毛細血管で、皮膚のしわ、冷え、むくみなども毛細血管の老化が原因である。血管の若返りには抗酸化力をもつ
野菜をとる。野菜たっぷりのみそ汁や野菜ジュースをとり、運動習慣をつけると血管はしなやかさを保ち、血流もよくなる。
④眠活 睡眠は体や脳を休めるために重要であり、 健康の基本だ。 睡眠の前半に訪れる深い睡眠のときに分泌される成長ホ
ルモンは筋肉や骨の量を増やし、 代謝を調節し細胞が修復されるため肌なども若返る。 睡眠の後半には、コルチゾールが分
泌され、体に蓄えられたブドウ糖や脂肪をエネルギーに変えてくれる。またいい睡眠は記憶を定着し感情も整理してくれる。
一晩寝ると、いやなことやどうでもいいことは自然に忘れられるのだ。朝太陽に当たり日中に運動すること。
⑤筋活・骨活 90歳になってもスイスイ歩けるようにするには、 筋肉や骨が大切というのは言うまでもない。だがそれだけ
にとどまらないのが、筋活・骨活の効果だ。
腸の働きをよくする「腸活」や認知症予防の「脳活」にも、睡眠の質を高める「眠活」にもそして血管を若返らせる「脈活」
にも、運動が密接に関係していることがわかった。つまり、最も重要な土台は筋活・骨活なのだ。
これら五つの「活」に注目することで認知症にも寝たきりにもならず、 90歳の壁を越えていく人を増やしたいと思っている。
私自身この記事を読んで腸と脳の「脳腸相関」ということと、歩幅と認知症の関係というのを初めて知りました‥(@_@;)