久しぶりにお日様が出たので、いざ!っとばかりに腕まくりして、朝から洗濯と布団干しに燃えた。だいたいうちのチビチビ軍団は、雨の続く日を狙い済まして(?)オネショをやってくれる。普段はほとんどしないんだけどね~。やっぱり空気が冷たくなって、身体が対応しきれていないのかもしれないな……。そんな事を考えながら、布団をベランダに干しまくった。
洗濯物と布団で埋め尽くされたベランダで自己満足に浸っていると、どこからともなく、かぼそいツクツクボウシの声が聞こえてきた。
「……つ、つ、つくく……ぼおぉぉ……ぉぉ…………し(ぜえぜえ)、つくつく……ぼ………おぉ、し」
二十秒ほど鳴いていたが、やがて、ぱたりと止まった。そして、それっきり……。
それはもう、大河ドラマで討ち死に寸前のお侍が「は、謀ら……れ、た……。む、む、無念……(ガクッ)」みたいな調子の断末魔のツクツクボウシだった。
う~ん、地面から出てくる時期を間違ったのだろう。せっかく出てきたのに、仲間は既に皆いなくなり、十一月後半の寒さと雨に打たれ、恐らくパートナーに出会うことなく、力尽きたにちがいない。なんとも哀れな最期だ。しかしながら、それが自然の摂理であり、その中で生きているという事なのだろう……。
昼からは、我が愛車ダイハツ・ミラを駆り「いざ、出陣!」、仕事に出かけた。住宅街の細い道を徐行していく。左折しようとハンドルを切った途端、車の前になにやら茶色い塊がドサッと落ちてきた。
「のわあっっ?!」
慌ててブレーキを踏んでその塊を見る。
それはなんと、もつれあった二羽の雀だった。ほとんどプロレス状態で絡み合いながら、車の前で取っ組み合いの喧嘩をしている。それも、寝技に持ち込んでの技のかけあい……。腕ひしぎ十字固めか、四の字固めか、ヘッドロックか。くんずほぐれつ、お互いにゴロゴロと地面を転がりながらの大喧嘩。
雀が、地面の上で、取っ組み合い。ありえない……。こんなの初めて見た。
この二人(もとい二羽)、あまりにも激しく戦っているので私が目の前で止まっていることにも気付かない。なんとか跨いで通ろうかと思ったが、なんといっても左折の途中である。前輪はともかく、後輪で轢いてしまうような気がする。
ええい!
仕方ないから仲裁に入るため、車を降りた。私の姿にようやく気付いた二羽は、はっ?!とした顔で揃ってこちらを見て、次の瞬間、ばっと飛び立った。
いやあ、面白かった。生まれて初めて雀の仲裁をしたよ(笑)。一体何が原因だったのだろうか。青春ドラマのように殴り合いの喧嘩の後は、熱い友情が生まれたりするのだろうか。
「お前の四の字固め、なかなか効いたぜ(にやり)」
「へへ。そういうお前のパンチもなかなかのモンだったぜ」
「チクショウ……西日が眩しいな」
なんて、会話を電線の上でしていたら可笑しい。それにしても、たかが雀ではあるが、一生懸命生きているんだなぁ……などと妙に感心してしまった。
我が同胞達よ! 動物は皆一心不乱に生きている。我々も一心不乱に生きようではないか。
洗濯物と布団で埋め尽くされたベランダで自己満足に浸っていると、どこからともなく、かぼそいツクツクボウシの声が聞こえてきた。
「……つ、つ、つくく……ぼおぉぉ……ぉぉ…………し(ぜえぜえ)、つくつく……ぼ………おぉ、し」
二十秒ほど鳴いていたが、やがて、ぱたりと止まった。そして、それっきり……。
それはもう、大河ドラマで討ち死に寸前のお侍が「は、謀ら……れ、た……。む、む、無念……(ガクッ)」みたいな調子の断末魔のツクツクボウシだった。
う~ん、地面から出てくる時期を間違ったのだろう。せっかく出てきたのに、仲間は既に皆いなくなり、十一月後半の寒さと雨に打たれ、恐らくパートナーに出会うことなく、力尽きたにちがいない。なんとも哀れな最期だ。しかしながら、それが自然の摂理であり、その中で生きているという事なのだろう……。
昼からは、我が愛車ダイハツ・ミラを駆り「いざ、出陣!」、仕事に出かけた。住宅街の細い道を徐行していく。左折しようとハンドルを切った途端、車の前になにやら茶色い塊がドサッと落ちてきた。
「のわあっっ?!」
慌ててブレーキを踏んでその塊を見る。
それはなんと、もつれあった二羽の雀だった。ほとんどプロレス状態で絡み合いながら、車の前で取っ組み合いの喧嘩をしている。それも、寝技に持ち込んでの技のかけあい……。腕ひしぎ十字固めか、四の字固めか、ヘッドロックか。くんずほぐれつ、お互いにゴロゴロと地面を転がりながらの大喧嘩。
雀が、地面の上で、取っ組み合い。ありえない……。こんなの初めて見た。
この二人(もとい二羽)、あまりにも激しく戦っているので私が目の前で止まっていることにも気付かない。なんとか跨いで通ろうかと思ったが、なんといっても左折の途中である。前輪はともかく、後輪で轢いてしまうような気がする。
ええい!
仕方ないから仲裁に入るため、車を降りた。私の姿にようやく気付いた二羽は、はっ?!とした顔で揃ってこちらを見て、次の瞬間、ばっと飛び立った。
いやあ、面白かった。生まれて初めて雀の仲裁をしたよ(笑)。一体何が原因だったのだろうか。青春ドラマのように殴り合いの喧嘩の後は、熱い友情が生まれたりするのだろうか。
「お前の四の字固め、なかなか効いたぜ(にやり)」
「へへ。そういうお前のパンチもなかなかのモンだったぜ」
「チクショウ……西日が眩しいな」
なんて、会話を電線の上でしていたら可笑しい。それにしても、たかが雀ではあるが、一生懸命生きているんだなぁ……などと妙に感心してしまった。
我が同胞達よ! 動物は皆一心不乱に生きている。我々も一心不乱に生きようではないか。
カラスや鳩の小競り合いは、見たことがあり、
よく話にも聞きますが、雀同士の争いって、
初めて耳にしました。
そして、それの仲裁に人間が入るという話も!(笑)
昔話の世界か、はたまたグリム童話か。
このところ、悔しい悲しいニュースが多かったので
こういう話を聞かせていただくと、何かほっとする
思いです!
いや、ほんと。自然の営みというのはいいですね。ほっとします。
きっと難しい事や、ややこしい事に思い煩わされる事なく、「今のこの瞬間を一生懸命生きる」という繰り返しなんでしょうね~。
それが簡単な事ではないとわかってるけど、すごくうらやましいと思える瞬間があります。
ああ、疲れてるのかしらん、私……。