あんた幾つ?三十六・・・そう若いねぇ。まだまだこれからやねぇ。私があんたと同じ歳の頃ゆうたら、もう主人が亡くなって、子供四人もおるのになぁ。死に物狂いで働いとったわ。
再婚なんて、四人も子供おってなかなかでけへんで。・・・そやけどなぁ、好きな人はおったで。五歳年下でなぁ。・・・可愛い人やったでぇ。そら、もう、食べてしもたろかって思うくらい可愛い人やったわ。
主人とは十五年しか一緒におらんかったけど、その人とは二十年つきおうたわ。バイクのな、後ろに乗せてもろうた事もあるんやで。楽しかったわぁ。変な話、主人が亡くなってから主人の夢なんて見た事ないのにな、その人の夢は今でも見るで。・・・ほんまに好きやったんやなぁ。
今か?さぁ、どないしてはるんやろなぁ。私がもうじき九十やからなぁ、あの人も生きてはったら、えらいジジイになってはるわ。もう枯れてるわな。連絡なんてもうずっと取ってへんからな、知らんわ。
もう一度若くなったらやりたい事?・・・そやなぁ。恋がしたいなぁ。それも死ぬほど激しい恋をしてみたいわ・・・。
彼女はそう言って大笑いをした。笑いながら、その目は遠くを見ていた。そして少し涙が浮かんでいた・・・。
再婚なんて、四人も子供おってなかなかでけへんで。・・・そやけどなぁ、好きな人はおったで。五歳年下でなぁ。・・・可愛い人やったでぇ。そら、もう、食べてしもたろかって思うくらい可愛い人やったわ。
主人とは十五年しか一緒におらんかったけど、その人とは二十年つきおうたわ。バイクのな、後ろに乗せてもろうた事もあるんやで。楽しかったわぁ。変な話、主人が亡くなってから主人の夢なんて見た事ないのにな、その人の夢は今でも見るで。・・・ほんまに好きやったんやなぁ。
今か?さぁ、どないしてはるんやろなぁ。私がもうじき九十やからなぁ、あの人も生きてはったら、えらいジジイになってはるわ。もう枯れてるわな。連絡なんてもうずっと取ってへんからな、知らんわ。
もう一度若くなったらやりたい事?・・・そやなぁ。恋がしたいなぁ。それも死ぬほど激しい恋をしてみたいわ・・・。
彼女はそう言って大笑いをした。笑いながら、その目は遠くを見ていた。そして少し涙が浮かんでいた・・・。