知恵のある人は力強い。
知恵のある人は力を増す。
あなたはすぐれた指揮のもとに戦いを交え、
多くの助言者によって勝利を得る。(箴言24:5-6)
放送大学の学位授与式に出席してきた。今期の卒業は全国で約1,000人余り。そのうち大阪学習センターは約100名だそうだ。学位授与式には30名ほどが参加していた。
これまでに参加してきた卒業式といえば、だいたい同じような年齢の若い世代が、きらびやかに着飾り、仰々しくも華やかなものであったが、今日の式はずいぶんと様相が違っていた。
二十代のスーツ姿の若者、アラフォーの普段着の女性、着物姿の白髪の女性、これまた普段着の初老の男性、一見すると学生なのか職員なのかあまり区別がつかない。そんな人たちが落ち着いた雰囲気の中、読み上げられる名まえに一礼し、前に進み出て学位記を受け取っていた。本当に地味で華やかさはまるでないのだけれど、厳粛さと静かな喜びと満足感がじわじわと肌で感じられる、そんな式だった。
卒業生代表であいさつされた方は70歳。終戦の年に生まれ、戦後の混乱期に育ち、金の卵として就職したという女性だった。中卒で働きに出たが、勉強がしたくて定時制の高校を卒業し、そして簿記などの資格を取り、事業を起こして生きてこられたそうだ。一線を退いてからも学びたいという気持が強く、放送大学に入学したのだという。
その後の懇親会でも私よりもずいぶん年上のお姉さま方の話を伺うことができた。それぞれが仕事、育児、介護、いろいろな人生のイベントと格闘しながら地道に勉強を続けておられた。
その方をはじめ多くの年配の方がそうなのだが、皆さん卒業した後、別の専攻に再度入学し、勉強を継続しておられる。長い人は二十年近く放送大学に通っているらしい。その多くの方がグランドスラムと言って、放送大学に存在するすべての専攻課程の学位をとることを目指しておられる。
生涯学習と言ってしまえばその通りなのだが、ちゃんと授業を受け、レポートを提出し、単位習得試験を受けて一つ一つ単位を積み重ねておられるのだから大したものだ。
何が彼ら・彼女らをそうも突き動かすのか。
それは「知る」ということの本質に他ならない。知るということは新しい世界を知ることだ。新しい世界を知り、新しい価値観を得る。そして新しい世界を拓く。おそらく人間という種の遺伝子に組み込まれている最大の、そして最強の原動力、それが「知る」ことへの欲求なのだと思う。
冒頭の引用の言葉は旧約聖書の中の箴言という章の一節だ。紀元前の昔から人は「知識」の強さを重んじていた。(もっとも必ずしも正しい知識ではないこともあるけれど……)
40歳を過ぎての勉強はかなりしんどいものはあったが、この三年半で改めて勉強することが楽しいということを味わうことができた。実は来年春からは福祉の専攻で再入学しようと密かにもくろんでいる。そして専攻とは関係なしに取ってみたい講座もいくつもあるので、それもぼちぼち受講していきたい。まあ、間違ってもグランドスラムを目指すことはないと思うが、「知る」ことの魔力に取りつかれたということは間違いない。
諸先輩方に恥ずかしくないよう、真摯に学び続けたいものだ。
知恵のある人は力を増す。
あなたはすぐれた指揮のもとに戦いを交え、
多くの助言者によって勝利を得る。(箴言24:5-6)
放送大学の学位授与式に出席してきた。今期の卒業は全国で約1,000人余り。そのうち大阪学習センターは約100名だそうだ。学位授与式には30名ほどが参加していた。
これまでに参加してきた卒業式といえば、だいたい同じような年齢の若い世代が、きらびやかに着飾り、仰々しくも華やかなものであったが、今日の式はずいぶんと様相が違っていた。
二十代のスーツ姿の若者、アラフォーの普段着の女性、着物姿の白髪の女性、これまた普段着の初老の男性、一見すると学生なのか職員なのかあまり区別がつかない。そんな人たちが落ち着いた雰囲気の中、読み上げられる名まえに一礼し、前に進み出て学位記を受け取っていた。本当に地味で華やかさはまるでないのだけれど、厳粛さと静かな喜びと満足感がじわじわと肌で感じられる、そんな式だった。
卒業生代表であいさつされた方は70歳。終戦の年に生まれ、戦後の混乱期に育ち、金の卵として就職したという女性だった。中卒で働きに出たが、勉強がしたくて定時制の高校を卒業し、そして簿記などの資格を取り、事業を起こして生きてこられたそうだ。一線を退いてからも学びたいという気持が強く、放送大学に入学したのだという。
その後の懇親会でも私よりもずいぶん年上のお姉さま方の話を伺うことができた。それぞれが仕事、育児、介護、いろいろな人生のイベントと格闘しながら地道に勉強を続けておられた。
その方をはじめ多くの年配の方がそうなのだが、皆さん卒業した後、別の専攻に再度入学し、勉強を継続しておられる。長い人は二十年近く放送大学に通っているらしい。その多くの方がグランドスラムと言って、放送大学に存在するすべての専攻課程の学位をとることを目指しておられる。
生涯学習と言ってしまえばその通りなのだが、ちゃんと授業を受け、レポートを提出し、単位習得試験を受けて一つ一つ単位を積み重ねておられるのだから大したものだ。
何が彼ら・彼女らをそうも突き動かすのか。
それは「知る」ということの本質に他ならない。知るということは新しい世界を知ることだ。新しい世界を知り、新しい価値観を得る。そして新しい世界を拓く。おそらく人間という種の遺伝子に組み込まれている最大の、そして最強の原動力、それが「知る」ことへの欲求なのだと思う。
冒頭の引用の言葉は旧約聖書の中の箴言という章の一節だ。紀元前の昔から人は「知識」の強さを重んじていた。(もっとも必ずしも正しい知識ではないこともあるけれど……)
40歳を過ぎての勉強はかなりしんどいものはあったが、この三年半で改めて勉強することが楽しいということを味わうことができた。実は来年春からは福祉の専攻で再入学しようと密かにもくろんでいる。そして専攻とは関係なしに取ってみたい講座もいくつもあるので、それもぼちぼち受講していきたい。まあ、間違ってもグランドスラムを目指すことはないと思うが、「知る」ことの魔力に取りつかれたということは間違いない。
諸先輩方に恥ずかしくないよう、真摯に学び続けたいものだ。
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