丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

夏の風景

2005年07月18日 | 季節
 梅雨が明けたと朝からラジオが言っていた。その言葉通り、仕事が
終わって外へ出ると、空気はすっかり夏になっていた。
 ゆるやかな上り坂の向こうの空は雲ひとつなく、青い背景に電線を
何本も貼り付け、暑いアスファルトには街路樹が日光写真のように
影を焼き付けていた。うだるような熱気の中、当然のように人影はなく、
私はジャラジャラと車のキーを鳴らしながら、だらけながら駐車場
に向かう・・・。
 
 夏が来ると必ず思い出す情景がいくつかある。
パチンコ屋さんの自動扉をわざと開けて、流れる冷気を思い切り吸い込んだ
事とか、外の明るさとは対照的に薄暗い台所でのんびり流れるNHKの
昼の番組のテーマ曲とか、プールの中で仰向けに浮かびながら見た
青空と太陽の光とか・・・。
 どれも小学生の頃の情景だ。

 最近の夏の風景はあまり印象がない。それは夏を楽しむ余裕が無くなった
という事なのだろうか・・・。そういえば大人になってから夏にする事と
いえば、夏バテくらいかもしれない。
 この夏は、少し意識して、夏を味わってみようかなぁ・・・。
 蒸篭と化した車のシートに座りながら、そう思った。

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