丘を越えて~高遠響と申します~

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女の道はスキャンダルでございます!~テレビドラマを観た!~

2008年12月22日 | レビュウ
 久しぶりのテレビドラマ講評でございます。今回は三本ほど重箱の隅をつつくようなセコイ感想を述べてみようかと思います。

「男装の麗人」
 第二次世界大戦前夜の中国と日本の間で翻弄された川島芳子の生涯を描いた二時間ドラマでした。清王朝のプリンセスでありながら、日本人の養女になり清王朝再興という夢をかなえるために表の世界、裏の世界で咲き誇る仇花。最後は故郷である中国にまで裏切られ、処刑されてしまいます。
 このドラマの一週間ほど前に、朝日新聞に「川島芳子は生きていた?」という記事がのっておりました。処刑されたのは身代わりで、芳子は中国国内で生きていたという内容でした。
 歴史の中での彼女への評価は様々なようですが、彼女が必死で時代と闘い、自分の故郷のために命をも賭けたというのは事実です。その生き方はとても一途で、ひきつけられるものがあります。そんな彼女にとって、戦後の日中の姿はどのように映っていたのでしょうか。もし、本当に生きていたのなら、聞いてみたいような気がします。
 ドラマでは黒木メイサが芳子を演じていました。少々色っぽさには欠けていましたが、彼女の凛とした美貌が痛々しいまでに芳子の一生懸命さを引き立てていたように思いました。四十歳代の芳子は真矢みきに変わっていましたが、出来れば黒木メイサのままでいって欲しかったですなぁ。真矢みきは、申し訳ないですが宝塚時代の男役を彷彿とさせてしまい、あまりにも黒木メイサとカラーが違いすぎていました。宝塚が苦手な私は思わず「おいおい……」と突っ込んでしまいました。

「スキャンダル」
 恐らくアメリカのテレビドラマ「Sex & The City」がヒントとなっているのでしょうが、私は本家を観ていないのでこれについてはよくわかりません。
 家事に命をかける平凡な専業主婦(鈴木京香)、キャリアウーマン(桃井かおり)、略奪愛の末結婚したキャピキャピセレブ(吹石一恵)、妄想癖の若い専業主婦(長谷川京子)、そして結婚式直後の元ホステス(戸田菜穂子)。二十代から五十代までの様々な状況にある妻達のスキャンダラス(?)な冒険(??)を描いた連ドラでした。正直なところ、加藤虎ノ介が出演しているから観てたんですけどね(笑)。
 まったく面白くない訳ではないんですが、なんかあんまり面白くないドラマでした(結局面白くないんか?)。原因を考えてみるに、特に前半に話がごちゃごちゃしすぎて、テンポが悪くなっているからなんだろうな~。まず、登場する夫婦の数が多すぎる。正直、キャピキャピセレブ夫婦はいらんかったかもしれない。あそこで時間を割く分、他の夫婦の掘下げをする方がストーリーに深みが出たんじゃないでしょうかね。
 それと伏線が多すぎて、頭の中で整理がつかない。話を盛り上げるという意図は理解できますが、ミステリーならミステリー、人間ドラマなら人間ドラマ、コメディーならコメディー。もう少し、統一感が欲しかったですね。盛りだくさんで面白いやん! という見方もあるかもしれませんが、それにしてはどの要素も中途半端だったように思います。
 まあ、誉めるとすれば、桃井かおり×小日向文世という取り合わせが非常にハイ・クオリティーな演技を魅せてくれた事でしょうか。二人の掛け合いは抑えた中にも深い共鳴を感じさせ、大人の微妙な心の襞を嫌味なく見せてくれました。さすが個性派のお二人! ぜひ、桃井×小日向で二人芝居をしてください。観に行きます。
 ところでお目当ての加藤虎ノ介ですが、ミステリアスなピアニストという役でしたが、あまりにもNHK連ドラでの役柄(徒然亭四草)とキャラがかぶっていて気の毒でした。得体の知れない「馬の骨」っぽいけれど実は純情でピュアな心の持ち主なんですが、それなら最初から純情でピュアな青年ということにしてやって欲しかったです……。正直な話、無意味に悪人ぽく描かれていましたね~。
 まあ、たくさん虎ちゃんが見られたのでそれはそれ良かったんですが(笑)。

「篤姫」
 言わずと知れた今年の大ヒットNHK大河ドラマです。もう、これについては批評する気になれません。本当に一年間、楽しく見させて頂きました。
 堺雅人演じる家定との純愛、江戸幕府・徳川家・大奥という大家族を守りたいという家族愛、薩摩の友との友情と慈愛。なんとスケールの大きな愛を持って生きた姫様だったのでしょうか。
 よくよく考えれば、本当によく泣く姫様でした。毎回あの可愛らしい目から、ポロポロと真珠のような涙を流していましたね~。悲しみの涙、喜びの涙、怒りのあまりに流れる涙、哀しみの涙、ありとあらゆる涙でどれだけもらい泣きさせられたか(笑)。でも、よく泣くから弱い女なのではないのです。あれだけ泣いても充分に強く大きな姫様でした。涙という物の見方が変わりましたよ。若干二十二歳、宮崎あおい、恐るべし!!
 マニアックなツボですが、演出(大河では監督とは言わないようですな)の中にえらい漫画チックな演出をする人がいて、笑ってしまいました。(恐らく掘切園ナントカと言う名前の人だと思うのですが)。この演出家の描く本寿院(家定の生母)始め大奥のお局様達は爆笑モノでした。大河の演出陣には時々ぶっとんだ感性の人がいて、面白いですね~。

 総括してみますと、なんですな、女という生き物はかくもドラマチックで逞しいものかと……。まさに、「女の道は一本道! 後戻りは出来ませぬっ」そして、その道にはスキャンダラスなハプニングがてんこ盛りなのでございます(笑)。その道を艶やかに華やかに歩ききるのが、まさに女!

 ビバ! 女道!!


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