注*三島由紀夫通の方が読んだら「何をアホな事を」とお叱りを受けそうなので、心当たりのある方はお控下さい(笑)。
11月25日は三島由紀夫氏の命日(憂国忌)だった。最近「春の雪」が映画化された事もあり、テレビで三島由紀夫の名前をよく聞くような気がする。私は三島由紀夫が結構好きだ。全部読んだとはとても言えないが、有名どころは一通り、短編集も幾つか持っている。どの作品が一番好き・・・というのは実はないのだが短編の方が好きかもしれない。
では、なんで三島が好きなの?何処が良いの?と聞かれると、ちゃんと答えられない。一般的には三島文学は日本語の完成度が高いと言われているが、確かに文章は物凄く流麗な印象が強い。その代わり一文を理解するのに時間がかかる。高校生の時初めて「金閣寺」を読んだ時の感想は正直なところ「ようわからん。」だった。それが二十歳を越えて読み直した時にはガラリと印象が変わった。物凄く暗く歪んだ性格の主人公の心理状態や行動が、緻密かつ怜悧な描写で描かれていて、頭の中で映像として動いたような気がした。いわば金閣寺オタクの主人公にどっぷり成りきったような、そんな気がした。それから次々と三島由紀夫の本に手を伸ばすようになった。
三島由紀夫の描く女性像にも興味がある。「あなたもしかして、女というのは世間知らずで単純で感情的で、ようするにバカ?って思ってるでしょ??」と言いたくなる。戦前の女性観というのは世間一般的にこんなものなのかもしれない。若い頃なら「馬鹿にして!」とむかっ腹も立とうものだが、年寄り相手の商売をしている現在となってはかなりすんなりと受け入れてしまい不快感には繋がらない。女性観という点で面白かった作品がある。三島由紀夫の作品としてはあまり有名ではないのだが、「夏子の冒険」という作品だ。そこにでてくる夏子は天衣無縫・天真爛漫でわがままなエエところのお嬢様だ。そのお嬢様の恋と冒険を描いた作品で、三島由紀夫とは思えないような軽いタッチのお話なのだが、この夏子が実は結構彼の中の「女の原型」ではないのかなという感想を持っている。女性特有の小賢しさとバカさ加減を兼ね備えた、でも憎めない女性。ちなみに今日のスマステーションの中で「三島由紀夫は祖母・夏子に溺愛されて育った。」と紹介されていた。もしかして祖母サマがモデルか??
三島由紀夫はその最後があまりにも衝撃的だったので誤解されているのではないかと時々思う。「三島が好き」というと「右?」なんて聞かれたりして。ちなみに私は右でも左でもない。ましてや国粋主義者ではないが、歳を重ねるに従ってナショナリズムとはなんぞや・・・という想いが強くなってくるのは確かだ。それは十代後半から二十代前半にかけて外国人と接する機会が多かったので、いやおうなしに自分が日本人であるという事実に直面したからだと自分では思っている。そんな時期だったからこそ、美しい文体でちょっと古い時代の日本を描く三島文学に魅せられたのかもしれない。
先日新たに二冊三島由紀夫の本を購入した。何故三島由紀夫なのか・・・そんな自己分析をしながら、暇を見つけてじっくり読もうと思っている。
11月25日は三島由紀夫氏の命日(憂国忌)だった。最近「春の雪」が映画化された事もあり、テレビで三島由紀夫の名前をよく聞くような気がする。私は三島由紀夫が結構好きだ。全部読んだとはとても言えないが、有名どころは一通り、短編集も幾つか持っている。どの作品が一番好き・・・というのは実はないのだが短編の方が好きかもしれない。
では、なんで三島が好きなの?何処が良いの?と聞かれると、ちゃんと答えられない。一般的には三島文学は日本語の完成度が高いと言われているが、確かに文章は物凄く流麗な印象が強い。その代わり一文を理解するのに時間がかかる。高校生の時初めて「金閣寺」を読んだ時の感想は正直なところ「ようわからん。」だった。それが二十歳を越えて読み直した時にはガラリと印象が変わった。物凄く暗く歪んだ性格の主人公の心理状態や行動が、緻密かつ怜悧な描写で描かれていて、頭の中で映像として動いたような気がした。いわば金閣寺オタクの主人公にどっぷり成りきったような、そんな気がした。それから次々と三島由紀夫の本に手を伸ばすようになった。
三島由紀夫の描く女性像にも興味がある。「あなたもしかして、女というのは世間知らずで単純で感情的で、ようするにバカ?って思ってるでしょ??」と言いたくなる。戦前の女性観というのは世間一般的にこんなものなのかもしれない。若い頃なら「馬鹿にして!」とむかっ腹も立とうものだが、年寄り相手の商売をしている現在となってはかなりすんなりと受け入れてしまい不快感には繋がらない。女性観という点で面白かった作品がある。三島由紀夫の作品としてはあまり有名ではないのだが、「夏子の冒険」という作品だ。そこにでてくる夏子は天衣無縫・天真爛漫でわがままなエエところのお嬢様だ。そのお嬢様の恋と冒険を描いた作品で、三島由紀夫とは思えないような軽いタッチのお話なのだが、この夏子が実は結構彼の中の「女の原型」ではないのかなという感想を持っている。女性特有の小賢しさとバカさ加減を兼ね備えた、でも憎めない女性。ちなみに今日のスマステーションの中で「三島由紀夫は祖母・夏子に溺愛されて育った。」と紹介されていた。もしかして祖母サマがモデルか??
三島由紀夫はその最後があまりにも衝撃的だったので誤解されているのではないかと時々思う。「三島が好き」というと「右?」なんて聞かれたりして。ちなみに私は右でも左でもない。ましてや国粋主義者ではないが、歳を重ねるに従ってナショナリズムとはなんぞや・・・という想いが強くなってくるのは確かだ。それは十代後半から二十代前半にかけて外国人と接する機会が多かったので、いやおうなしに自分が日本人であるという事実に直面したからだと自分では思っている。そんな時期だったからこそ、美しい文体でちょっと古い時代の日本を描く三島文学に魅せられたのかもしれない。
先日新たに二冊三島由紀夫の本を購入した。何故三島由紀夫なのか・・・そんな自己分析をしながら、暇を見つけてじっくり読もうと思っている。
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