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丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

「感染列島」を観た!

2009年02月11日 | レビュウ
 正月休みボケからまだ覚めやらぬ総合病院に、一人の急患が運び込まれてくる。高熱、痙攣、意識障害、吐血、粘膜からの出血。折りしも同市内の養鶏所で鳥インフルエンザが発生していたことから、新型インフルエンザの疑いが濃厚となる。パンデミック(感染爆発)を食い止めるため、WHOから職員が派遣され、病院は完全隔離となる。しかし、医療スタッフの懸命の努力をあざ笑うかのように、感染は病院内で止まらず、全国各地へと拡大していく。
 やがてウイルスの正体が新型インフルエンザではない事が判明。ではそのウイルスは何処から来て、どのように感染して行ったのか。そしてその正体は何なのか。どうすれば殺す事が出来るのか……。
 最初の患者を診察し、ウイルスに翻弄されながらも必死にその正体を突き止めようと突っ走る若き救急医・松岡には今をときめく妻夫木聡。WHOから派遣されてくる責任者であり、妻夫木くんの学生時代の彼女である小林栄子には壇れい。こんなキャストで三時間近くある長丁場を突っ走ります。

 とにかく「怖いっっっっ!!」「看護師さんでなくて良かった……」「手洗いとウガイは忘れずに!!」ですよ、全く。
 恐ろしいパニック映画であり、一種のシミュレーション映画です。医療関係者、特に病院勤務の経験がある人であれば「もしこの状況に自分がいたら……」と考えて、全身にサブイボが立つに違いありません。医師、看護師、介護福祉士、ヘルパー、医療機器の技術者、果ては清掃のオバチャン、食堂のオバチャン、もしかしたらリハビリ関係(直接関わる事はないだろうけど)に到るまであまねく感じる恐怖だと思います。「これは絵空事ではない」という……。
 医療関係者には色んな意味でお薦め映画ですね。皆して、パンデミックを招かないために感染予防キャンペーンをしましょうって気になりますね。うんうん。

 病気の恐ろしさ以外の場面でも心に痛い箇所が多々ありました。一番身近なところではやはり医療関係者の献身と殉職でしょう。幼い子供を持つ身でありながら、隔離病棟で昼夜を問わず勤務し、感染し、死んでいくナースの姿は涙なしには見られません。それと同時に医療に関わる者は職種に関わらず、どこかで自分の家族や自分自身を犠牲にしなければならないという覚悟が必要なのだろうと、そして困難な状況に恐れず果敢に立ち向かっていく事もまた使命なのだと再認識しました。
 私はOTなので、まず救急救命の最前線でいきなり仕事をする事はないにしても、例えば仕事中に大災害が起こったらやはり目の前の患者さんや利用者さんの生命と身体を守ることを最優先とするのでしょう、やっぱり。家族の事は物凄く気にかかるだろうけど……。でもチビ共を預かってくれている学校や保育園では先生方がやはり目の前の子供達を守ってくれているはずなのだから。
 社会と言うものはそうやって相互に協力し、助け合う事が必要なんでしょうね。

 医療関係とはまた違うポイントも心に残りました。鳥インフルエンザを出した養鶏所の責任者が世間の目と「自分の鶏が感染源かもしれない」という自責の念に耐えかねて、自殺をしてしまうというシーンがありました。
 これは数年前にO-157騒ぎで大揺れに揺れた大阪南河内近辺の者としては胸の痛い逸話でした。当時はカイワレ大根が感染源ではないかという流言飛語により、カイワレ農園がとんでもない被害を被ったのですよ。ちなみにそのカイワレ農園のご夫妻は中学の同級生でした。顔見知り程度ではありますが、ひどく気の毒に思ったことを思い出しました。
 風聞の流布というのは犯罪ですね、ホント。

 とまあ、私にしては物凄く真面目に感想をツラツラ延べたのですが、突っ込みどころが無いという訳ではないのです。
 さあ、今から吼えます(笑)。

 とにかく致死率の高い病気で六十パーセントくらいの確立で死んじゃうのです。それも物凄くえげつない様相で。白目剥いて、痙攣して、目から鼻から口からドバドバ出血して、血みどろになって、のた打ち回って死ぬのです。エボラ出血熱と破傷風の発作を足したみたいな、強烈な最後を遂げるのです。
 にも関わらず! 美人の女優さんは感染してもとっても綺麗なままで、昇天されるのですよ! 誰が死ぬかはネタバレになるのであえて書きませんが、それって不公平じゃないか?! ウイルスに美人も不細工も関係あるか?! 美人もちゃんと血みどろになるべきだ!!

 責任者、出てこ~い!!(古いって)

 という訳で、本日のレビューを終わりま~す(笑)。



あ、そうそう。映画館に行く方、マスクをお忘れなく。
「感染列島」観て、インフルエンザに感染してては洒落になりませんので。


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