丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

赤い靴 ~マイケル・ジャクソン逝去~

2009年06月29日 | 四方山話
 マイケル・ジャクソンの「スリラー」が流行ってたのは確か中学校の頃だ。MTVには当時はさっぱり興味がなかった、というか存在すら知らなかったのだが、一つ年下の男の子がカマキリみたいな格好で踊ってるのを見て、「なんじゃ? そりゃ??」と思ったことを覚えている。彼はマイケル・ジャクソンのファンだったらしい。
 当時かなり気合を入れてジャズダンスを習っていたのだが、初めてマイケル・ジャクソンのPVを見た時には目が点になってしまった。
「……なんじゃ、この動きのキレの良さは? 人間か?」
 フラッシュダンスとか、コーラスラインは大好きだったし、長くバレエをやっていた事もあるので結構色々なダンスを見てきたつもりだったが、あんなに人間離れしたダンサーを見たのは初めてだった。
 関節がバラバラに動いてる……。後ろ向きに歩いてる……。どうやったらあんな動き出来るんだ??
 そう思いながら、風呂上りにスッポンポンで洗面所の鏡の前で研究したもんだ(笑)。

 歳を取るにつれて「実録・スリラー」になっていくマイケル・ジャクソンの姿は本当に痛々しかった。スリラーやWe are the worldくらいの頃のまま、素直に歳を取っていけばダンサーとして、歌手として、まっとうな人生を歩めただろうに……。一体彼は何になりたかったのだろう。何処へ辿り着きたかったのだろう。その答えがもしかしたらこの七月から始まるはずだったロンドンのツアーだったのかもしれない。残念な事に実現する事はなかったが……。

 赤い靴に魅入られた少女は足を切り落とされるまで踊り続けた。マイケルもまた、赤い靴に魅入られて、踊らされ続けた。それを彼自身も望んでいたのかもしれない。赤い靴の魔力がいつか身を滅ぼすとうすうす気付きながら……。

 赤い靴を脱ぎ捨てた今、空を渡りながら素足で踊っているだろうか。
 
 ご冥福をお祈りいたします。



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