とても厳しい大会のようでした
世界は広いし強い選手は沢山いると思います。経験をつんで
もっともっと強い選手になっていってほしい!と思います
*男子スクラッチ
1 HAMPTON Russel HPM
2 STROETINGA Wim NED
3 PEREZ Walter ARG
- 西谷 泰治 JPN 予選敗退
一方、スクラッチ予選に出場するのは西谷。昨年、同じLAで銅メダルを獲得しているだけに期待が高まる。
号砲とともにはじまった30周回7.5kmのレース、西谷は中段からやや前のスタート。
先頭が少しずつ交代しながら、西谷は前方に行ったり、下がったりを繰り返すが、前々の意識があるらしく、 中段より後方に下がることはない。残り19周、ロシアのセルゲイ・コレスニコフの逃げに乗って西谷が前へ。
その後、すぐにコレスニコフが離脱。西谷は前に残って走っている。しばらくしてそこに2人が合体。
3人の先頭集団を形成するも、すぐにメイン集団に吸収されてしまう。 のこり10周回を迎えるが、集団は縦に伸びたり、ダンゴ状に縮まったりしながらもひとかたまりのままで周回が続く、そこへウクライナのヴォロディミリー・リビンがアタックをかけ、1人が追走。半周の間が出来る。
誰も追わないのを見て、しびれを切らしたように西谷がそれを追う。その西谷を追う選手はおらず、西谷は1人で半周を追いかけるかたちになってしまった。しかし、先頭集団との差はなかなか縮まらない。 ひとりで、風圧と戦い続けた西谷は徐々に失速し、大集団に戻るかたちとなった。
そこに、ラスト1周回を告げる鐘。西谷はあきらめたようにスピードをゆるめ、最後尾まで下がってゴール。
ゴール後、しきりに首をかしげながら戻ってきた西谷のコメント
「いやー、展開がつかみきれないですね。難しい。距離が短いんで、ちょっとの間違いが取り返しつかないですよね。
もっと、レースを読んでいかないとダメですね。マニエにも、“もっともっと考えて走れ”と言われました。
でもアタックについていったのに、すぐやめるなんて、あれは考えられないですね。(コレスニコフが残り19周でアタックをかけたが、それを追走した西谷を置き去りにするように逃げから 離脱したことに対するコメント) 最後のアタックは誰かついてきてくれるように、少しゆっくりめに出たつもりだったんですけど・・・
ひとりになっちゃいました。世界のスピードにようやく慣れてきた気がするので、また頑張りたいです」
その後も、西谷はマニエ監督から「何回もアタックするな。1回のためにためておくんだ。冷静に。気持ちでアタックしちゃいけない」 など、さらなるコメントをもらっていた。
ワールドカップLos Angeles大会レポートからお借りしました。
*男子ポイントレース
1 MEYER Cameron AUS 24 p
2 NEWTON Christopher GBR 20 p
3 KOLESNIKOV Sergey RUS 14 p
16 盛 一大 JPN -18 p
中長距離種目、今日は盛一大がポイントレースに出場した。予選、スタートから前方、後方と柔軟に位置をとりながらもスプリントに加わらずに過ごした後の第3スプリント、逃げた選手を追って前方へ。それに他の選手も加わり、5人で逃げ集団を形成したが1人が脱落。4人の逃げ集団はそのまま大集団を引き離し、スプリント周回に入る。盛は2位で通過し、3ポイントゲット。続く第4スプリント、その4人はさらに集団を離し、ついには大集団をラップ。
この時点で、かなり優位に立った盛はあとのことを考え、もう無理はしない。第6スプリントで再び別の4人の逃げがはじまり、集団を離していくが、大集団をラップするほどの勢いはない。このとき、すでに盛の頭には決勝があるようで、その後は力をセーブすることに努めた。3位で予選を通過。4人でラップした時点で大方、決勝進出を決め、効率よく決勝にすすんだ盛に期待がかかる。
夕方になり、迎えた決勝。スタートからめまぐるしく先頭が変わる。予選とくらべかなりペースが速くなっている。第2スプリントでは、先頭集団にくらいついたところで、鐘を聞き、スプリントにも加わるが、ポイントはゲットできず。第3スプリント、ひとりで逃げた選手をしばらくしてから追う集団に加わり、逃げ選手を吸収。そこでスプリントとなるが、今回は前方に位置し、3位通過で2ポイントゲット。第6スプリント、盛が1人でアタックに出る。かなり集団を引き離すが、鐘がなると同時に猛烈に盛のことを追撃しはじめた集団に第4コーナーで飲み込まれ、ポイントをとりそこなってしまう。しばらくすると集団は徐々に分かれはじめ、第10スプリントでは、盛のいる集団はラップされてしまう。第11スプリント、盛は最後の力を振り絞って、逃げをうつが集団はしっかりと追走して逃げ集団をつくらせない。ラストスプリントでは、逃げるスペインのホアン・ラネラスを必死に追い、逃げ集団に加わるが、もういっぱい。盛は逃げ集団から脱落してしまう。ポイントは一度ゲットしたものの、ラップされたためラップポイントがマイナスされ、ポイント-18で16位という結果に終わった。
盛のコメント
「いやー速かったです(ペースが)。自分のやり方として逃げを決めて、ポイントをとっていく感じなので、逃がしてくれないと厳しいですね。一人で行った逃げが捕まったのは、ガクッと来ました。やろうとしたことが全部ウラ目に出たのは、身体もそうですけど精神的にダメージが大きかったですね。ラップされた後は、もう圏外だとわかっていたので、練習のつもりで出来ることをやりました。なんとか、半分(12位)より上に行きたかったですね。でも、また頑張りますのでよろしくお願いします」
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中長距離チームの西谷、盛は中長距離のチーム種目、マディソンに出場したい気持ちが強かったようだが、マニエ監督より、「もう少し練習を積んでから」とストップがかかり、今回は不出場となった。
マディソンは卓越した技術が必要な競技だ。
「昨年のロードレースのワールドチャンピオン、パオロ・ベッティーニがフランス・グルノーブルの6日間レースに出場したが、マディソン競技でそのスピードと展開の速さに、自分のパートナーのマルコ・ヴィラを集団の中でなかなか見つけることが出来ず、いつまでもタッチできずにヴィラが1人で走っていた」という話を聞いた。
世界チャンピオンさえ、こうなってしまうのだから、西谷・盛が日本ロード界を引っ張っていく優秀なロード選手であったとしても、ハードルは高いことは言うまでもない。
マディソンは大集団のなかで、交代のためのタッチを繰り返すこともあり、事故も多いため、常にケガのリスクも付きまとう。こうしたことを考えるとマニエ監督の言うこともよくわかる。
一方で「試合に出なければ、いつまで経っても経験が積めない。日本でいくら練習しても、世界のレベルやスピードで練習できなければ意味がない」という、二人の言い分も一理あり、なかなか難しいところだ。しかし、日本人選手がマディソンを走るのを見たいと思うのは、私だけではないはずだ。マニエ監督も、もちろんそう思っているに違いない。
ワールドカップLos Angeles大会レポートからお借りしました。