お母さん

お母さん、大好きなシャクヤクの花を供えましたよ。
母の日のカーネーションも、まだまだきれいに咲いています。
バラの花も見事に咲いています。
お母さんはきれいな花々に囲まれて、優しく微笑んでいます。
遺影でね。

庭の牡丹のつぼみが膨らむと
「もうすぐ咲くよ」ととっても嬉しそうに教えてくれましたね。
今年も咲きましたよ。
庭のあちらこちらに、小さな花がたくさん咲いています。
お母さんが植えたのでしょうね。
花が咲かなければ、雑草と間違えて、抜いてしまっていたかも知れません。

お母さんがいなくなってから
私は腕時計を外せません。
どの部屋にも時計はあるのに
家の中で
「今、何時～～？」と大きな声で叫ぶと
「○時○分だよ～」と答えてくれたお母さん。
もう誰も答えてはくれないもの。
そんなことでも、お母さんがいないことを
ひしひしと感じますよ。

昨年のこの頃からでしょうか？
右眼の視界が狭くなり始めたのは。
こんなにこんなに、深刻な事だと思いもしなくて・・・
お母さん、本当にごめんなさい。
青い空を見上げても
山の緑を眺めても
空気の温度を感じても
風を吸い込んでも
お母さんのことを想い出します。

先週の土曜日、月の命日に、お墓参りに行きました。
「千の風になって」
歌詞の意味がようやくわかりました。
「ここに私はいません、眠ってなんかいません」

朝、鳥のさえずりが私を起こしてくれます。
夜空を見上げるとたくさんの星。
「あ、お母さん・・・」って思えます。

千の風になって、この大きな空を吹き渡っています。

旅行やお出かけが大好きなお母さんだから
今は風になって、世界中を駆けめぐっているのかも知れませんね。

お母さん、まだまだ、お母さんがいない生活には
慣れません。
もうすぐ夏がやって来ます。
昨年の今頃は・・・と、ますますお母さんを想い出します。
仏壇で手を合わせる時、
「大丈夫よ、みんな元気。安心してね」って
思わなくてはいけないらしい・・・
私は・・・まだ出来ません。
毎日毎日、涙が出ます。
本当に悲しい。
本当に口惜しい。

1年前に時間が戻せたら・・・
そんなことばかり思ってしまいます。