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観音・・・音を観る。実に奥深い表現だ。世情の声・・・
庶民の嘆き・苦しみ・呻き・悲しみなどを
一つ一つ聴くには、大変である。
そこで観る・・・即ち、観察するように観ることで把握する。
菩薩は・・・修行という意味である。
世情のあらゆる状況を観察する修行・・・これが、観音菩薩である。
そして、救いの手を差し伸べる。
キリスト教では『愛』が尊ばれるが、『愛』と『憎しみ』が同居する。
仏教では『慈悲』が尊ばれる。
『慈悲喜捨』という教えがある。
人の苦しみ(悲)を抜いてやり、そして、その人が喜ぶ姿を見て、
その人の苦しみを抜いてやったことを忘れる(捨てる)のである。
私は仏教を信仰している。宗教の中で一番優しいと思っている。
ある人が言った。『仏教は苦労人の信仰だ』・・・と。
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