国民的人気アイドルとして注目を集めるAKB48から見た〝妹分〟の存在について、リーダーの高橋みなみさん(21)に聞いた。
--高橋さんから見て、NMB48はどんな存在か
「同じ48グループ(AKB48とその姉妹ユニット)だから、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)してがんばっていきたいなと思っています。活動の拠点が大阪で、AKBとはチームのカラーが違うし、持っている特徴も違うので、比べるものではないと思います。ライバルじゃなくて仲間に近い存在ですね」
--NMB48はお笑いを武器にしているが、アイドルとお笑いの両立は難しいともいわれる
「AKB48にもお笑いキャラの子はいるし、私もそっちのタイプです。アイドルとお笑いの両立は確かに難しいかもしれないけど、アイドルだから面白くない というのもまた、おかしな話だと思います。だからいろいろなことにチャレンジして、ぶつかって、違うなと思ったら、そこから変えていけばいいと思います。 AKB48もいろいろなことに体当たりでぶつかって、無茶(むちゃ)もやってきましたが、いろいろなことがようやく最近、分かってきました。NMB48も、いっぱいチャレンジして答えを見つけてほしいですね」
--NMB48に、大阪の「笑いのDNA」を感じるか
「彼女たちには『ひとまず何でもやってみよう』という思い切りの良さがある なと思います。彩ネエ(NMB48リーダーの山本彩)は、お城のモノマネのお笑いネタを持っています。普通ならやれといわれても、なかなかできないじゃな いですか。それを思い切りよくやる度胸はすごいなと思います」
--もし高橋さんがNMB48のメンバーだったら何をしたい?
「やっぱり一緒に公演に出たいですね。私は関西の番組ロケで、NMB48の公演に出演させてもらった経験ことがありますが、本当に雰囲気が違うんですね。(AKB48の)同じ曲をやっていても、NMB色があるんです。気迫というか何というか…。ステージに立つと全然違うんです。メンバーの思いなんかも、一緒に踊るとすごく分かるんです。一緒に公演すると、すごく自分にとってもプラスになるんですよ」
いまや“国民的”との形容さえ冠される人気アイドルグループ、AKB48。6月に行われた、ファン投票でシングル曲を歌うメンバーを選ぶイベント「第4回選抜総選挙」は、NHK総合のニュース番組で結果が報じられたほどだ。
このAKBに目下「マジで嵌(はま)っている」のが、『ゴーマニズム宣言』などで知られる憂国の漫画家、小林よしのり氏(59)。自ら責任編集長を務める雑誌『わしズム』で、いずれ劣らぬAKBファンの論客3人とひたすら語り合った2回の座談会を、一冊の本に再構成したのがこの本だ。
「みんなおしゃべりだし、早口。常に誰かがずっとしゃべっている感じだった」と座談会の模様を語るのは、担当した幻冬舎の志儀保博氏。先月25日に初版1万2千部でスタートし、2週間で4刷4万2千部を発行。予想を上回る好調ぶりに喜ぶ。
内容は、あとがきで社会学者の濱野智史氏がAKBをよく知らない読者に向け「この本を読んでAKBを分かった気になろうとしても無駄だ」と明言する通り、完全にAKBファン向け。特に他のアイドル集団とAKBを決定的に隔てるシステム「総選挙」の結果を受けた前半は、各自の“推し(支持)”対象の明暗を反映し、話者が口角泡を飛ばすさまが見えるような、異様な熱気に満ちている。
中盤以降、4人の熱いトークは化学変化を起こし、AKBを通じた現代文明論へ突き進んでいく。見出しを並べると「資本主義の権化が共同体を生み出すという矛盾」「アメリカ人は多神教的AKBを受け入れるか」「多神教的資本主義は日本を越えてどこまで広がるか」-。戦中の知識人の座談会「近代の超克」を思わせる大風呂敷は、ある種壮観だ。数十年後、2010年代日本の知的状況を知る際に、重要な資料になる一冊だろう。(小林よしのり・中森明夫・宇野常寛・濱野智史著/幻冬舎新書・882円)