夕ぐれの時はよい時
かぎりなくやさしいひと時
それは季節にかかわらぬ
夏ならば大樹の木かげ
それはいつも神秘に満ち
それはいつも人の心を誘ふ
夕ぐれのこの憂うつは何処から来るのだろうか
だれもそれを知らぬ
それは今日の心には痛いけれど
しかもまったく忘れかねた その上(かみ)の日のなつかしい移り香
夕ぐれの時はよい時 かぎりなくやさしいひと時
夕方6時ごろ家に帰りながらこの最初がふと口に出てきた
夕ぐれの時はよいとき
この詩が堀口大学の詩であったことも忘れていたけれど
人の記憶がこんなに深いものと懐かしい青春のひと時の
ことをふと思いだした・・・・