野菜畑のひょうたん族

ひょうたん・たん・たん!大きくなあれ♪
野菜作りと日々の生活をやんわく綴ります。

夏の風物詩!六月燈

2023-07-21 | 季節・花
幼い頃、浴衣を着せてもらい連れて行ってもらった
六月燈。
ごった返す人波の中、迷子にならないようにと
母に手を引かれて歩いた。


母の背中から、見上げた空間に灯籠が並んでいた。
灯された文字や描かれた絵たちが、
夜空にみゅ〜と動き出し、
それは、まるで幻想の世界のようだった。

あれから何十年と六月燈に行くこともなく時はすぎ、
コロナ禍で行けなくなってしまってから、
再開したら、もう一度行ってみようと決めていた。

今年、照国神社の六月燈が開催。
私は心躍らせ、浴衣を着て行ってみた。
人混みも心地よさを感じた。
重なる灯籠に浮き立つ子どもたちの文字や絵が、
恋しい人に会えたような感動があった。

そして、
新しい浴衣に袖を通してはしゃぐ私を
優しく手を引いてくれたあのときの母に
会えたような気がした。


黄金の香り

2013-11-09 | 季節・花
時は夏をかけめぐり、
秋が来たのに気づいたのは、
黄金の香りが
小さなこの界隈をすっぽり囲った時でした。


庭にでんと居すわり、
どうどうと咲き誇る金木犀は、
すっかり我が家の顔です。

夏までは葉を生い茂り、着々と支度しつつも、
沈黙を守った彼女は、
前触れもなくいきなり演奏を始めるのです。



香りのセレナーデは、
きらきらと輝くメロディとなり、
回りを巻きこみながら、
恋心を打ち明けます…

彼女は、ちょっとばかり
気位が高いので、
言葉のないメッセージを、
黄金の香りにたくすのです。



甘い甘い思いは誰に届けたの?

友だちの秋風と
こっそり話していたのは何だったの?



夜には、泣き騒ぐ虫たちの声に、
静けさを感じられないほどだと驚き、

南国に霜が降りるころまでの
長い長い秋は、もうとおに来ていました。


七夕の願い事

2013-07-07 | 季節・花
今日は七夕。
晴れたら天の川を渡り、出逢える牽牛と織女のように、
恋人たちが出逢える日であるといいですね。

お話では牽牛と織女は夫婦なのですが、
1年に1度だけしか逢えないなんて、
悲しいお話です。




この宇宙の壮大な物語が、
本当にあるのなら、

1つ叶えてほしい願い事があります。


戦争から経済復活を目指して昭和時代を必死で働き抜いた
祖父母は60年近く夫婦として連れ添い生きてきました。

その祖父が昨年亡くなり、
祖母は今年の何もかもを初めて1人で過ごす日々です。

口には出しませんが、きっと
喧嘩していた若かりし日々を、
子どもを一人立ちさせた後、一緒に温泉地を旅した自由な日々を、
そして夫(祖父)を介護していた数年間の多忙な日々を、
繰り返し思い出していることと思います。

1年に1回だけ逢えるのなら、
その夫婦の歴史の場面の中から1つだけ切り取って
2人が仲よく過ごしたときに 逢えるようにしてあげたい。






今年も私は、一人で七夕飾りを作ります。
わっかをつなげて、短冊に願いを込めて、
思いを伝えられたらいいなと思います。



父さんの願いは、もっぱら
ドッジボール大の「スイカ」が
バスケットバール大になり、
いつか丸かぶりできる 「スイカ」 に生長してほしいこと。


これも私が短冊に書いておきましょう。


緑の親指姫

2013-05-01 | 季節・花

花の中でちんまりお座りになった、
緑の親指姫。

そよ吹く風にさえ押されまいと
きゃしゃな足で
まだ軟いうす緑の背中をささえ、
一応大人になりましたって
宣言中ですね。

ようこそ、
うちの畑デビュー。

春雨じゃ濡れてまいられよ

2013-04-03 | 季節・花
春雨がぼしょぼしょ降っています。

4月になった今、
寒くもなく暑くもなく、
冷暖房の要らないエコな時期とはいえ、
風が強いですね。

庭に置いていたプラスチックの椅子が、
玄関まで転がっていました。

どこの桜か、花びらが迷いこんで、
庭の隅で重なり固まっていました。

季節をまたぐ優しい雨のはずが、
異国の空から一気に吹き寄せる嵐の雨となって、
とまどっている私達に容赦なく降り下りてきます。

しかし、
家の窓から見上げる山々が、
青々と色づき始めているのに気付き、
どこにでも春の使者が来ているのだと嬉しくなりました。

なんてったって春雨じゃ、
みなみなさま、濡れてまいられよ。

桜満開、春爛漫、ちょっとお庭で一人酒

2013-03-23 | 季節・花
連日、東京の桜が報道されています。
隅田川沿いの桜並木は本当に、美しい。

桜は、1つの花だけでも美しいのに、
その花々たちがスクラム組んで、
春の日差しに顔を一緒に向けていると、
その力強く開いた姿が胸にズンときます。

明日は散るかと、覚悟を決めて、
最終試合で燃え尽きるまで気を張っているようです。

私も花見に行きたい!
けれど、花見に行く時間と余裕と、
花を愛でる友達がいません、残念ながら。


今、うちの庭には、
荘厳なる桜に匹敵する花があります。




岩ツツジです。


春の柔らかな日を浴びて、
薄紫がやさしく咲いています。

ひときわ目立つその美しさは、
桜の時代を飛び越えてもう、
陽気な4月への準備を始めたようです。

今夜は一人で、
ビール片手に岩ツツジで乾杯と行きますか。

もうすぐクリスマスです!

2012-12-11 | 季節・花
年々、時が経つのが早くなっているような気がします。

ついこの間クリスマスツリーをしまったはずなのに、
また昨日、押し入れからツリーを取り出して、
飾り付けをしました。

ここ10年来参加している、踊るサンタさんは、
いつものにこやかな笑顔で、
おしりを振り振り踊っています。

我が家には近所の子供たちがちょくちょくやってくるので、
この名物?!ツリーとサンタは、
毎年「うわあ~」と感激してくれる12月の風物です。

あと半月の間、夕方からライティングして
小さく灯るかわいい光が
大きなツリーを彩ります。

何よりも私自身癒されています。




春うらら

2011-03-05 | 季節・花
近くの公園に
ひかん桜が満開


このころになると
春のきざしに心浮かれて
ぷらぷらと近所を散歩したくなるものの

もうひとつの春のきざしは
「花」ならぬ「鼻」がムズムズ。
1回くしゃみすると
立て続けに何回もクシャン、クシャン、クシャン、クシャンクシャン……

3回くしゃみが出ると誰かが噂しているというけれど
私の場合、10回ぐらいは出るので

噂どころじゃない!!
花粉症!!


頭がふわふわするのも
春(花粉症)の訪れか。


それでもやっぱり

寒さを乗り越えて
何百もの固い蕾をほころばせ、
何かを期待させる
ピンクの花々が咲き誇る桜の木の下で


私もピンクに染まりたい。
ん~ この春は何かいいことあってちょうだい~

満開の桜にお願い事すると
かなうって、

誰も言ってなかったっけ??

元旦の大雪

2011-01-05 | 季節・花

今年のお正月は、
積雪25㎝の大雪。

これは南国、鹿児島にしては歴史的記録らしい。


元旦の朝

真っ白に雪化粧した
自分ちの庭が
そのまま
 
お隣も、

その次の畑も、

またまた遠くにそびえる山々も

全部つながって白い幕を引いていったみたい。


「世界が一つ」
という感覚は
こういうのかもしれない。

南国の久しぶりの雪は
すっかり人々を家の中に押し込んで

街を行く車は
数えるほどだった。

一瞬の思い

2010-10-23 | 季節・花
とうとう、やってきた。
今年も。

ある日突然、
扉をあけると、
やってくる。


一瞬で世界が変わる

  …私はそう感じる。


金木犀の香りが
私の周りを、
私の家を、私の街を
包むとき。



私の家の金木犀と
2.3件離れた家の金木犀と
自転車でかけても10分はかかる病院の
金木犀たちは
人間には分からないように
コンタクトを取っているにちがいない。

秋のよき日に
一斉にドッキリをかけるごとく
この街を
甘い香りで覆うと。


目を閉じてじっとたたずみ
深呼吸すると、
金木犀の香りは
矢のごとく脳を駆け巡り
心の奥にしまっている
大切な想いを呼んでくる。


香りに伝えたい言葉が乗せられるのなら
その香りを誰に届けますか?
どんな言葉を伝えたいですか?

私は、一番大切な人に
「大丈夫だよ。私が守ってあげる。」

と伝えたい。

みつの味

2010-05-19 | 季節・花
つつじのみつはおいしい

つつじの花のめしべを抜くと、
その先っぽに
甘いみつが付いていた。

子供のころ
学校の帰り道に
咲いているつつじを
友達と一緒に
よく取ったものだった。


今考えると

よく平気でそんなことをしていたなあ
と反省することだけれど…

あのころは、
あれはあれで
楽しかった。

赤いつつじ。

満開のつつじ。

両手を広げてかかえるほどの
大きなつつじは

おしくらまんじゅうしているように
絹のようにつややかな
花びらを寄せ合って

輝く紅色を魅せている。



おいしいつつじは
めでるつつじになった。

みつの味は
あのままなのか分からないけれど。

薔薇が咲いた

2010-05-17 | 季節・花
子供のころ、
庭のかたすみには
母が植えた小さな薔薇が咲いていた。

一枝に2、3個
ピンポンほどの
かわいらしい赤い薔薇。

梅雨前に毎年花を咲かせ、
そのたびに
私は

そのころ小学校の音楽で覚えた

「バ~ラがさいたあ
 バ~ラがさいたあ
 真っ赤なバ~ラがあ♪」

を幾度も歌ったものだった。



薔薇は赤色しかないと思っていた。
一人でさみしいときは
薔薇を見ると癒された。

だって、
「さ~びしかった僕の心は
 明るくなった」
          から。

歌の力はすごい。
そのままで美しい薔薇は
口ずさむ言葉と一緒に
心まで
満たしてくれた。


帰りの遅い家族が
帰ってくるまでの
白い時間を
私は薔薇の花のお絵かきで
埋めた。


今、

うちの庭では、赤い薔薇より
オレンジ色の薔薇が満開だ。

けれど
やっぱり
赤い薔薇が
なつかしくって
 いい。


老人ホームに咲く花

2010-04-11 | 季節・花
老人ホームに行ったとき
もうひとつ
心に残る花を見つけた。

名前は知らないが、

数本植えると
どんどん株が増えて
あっという間に群生するらしい。


雑草のようにたくましいのに
花は可憐できれいだ。

んんっ??

どこかで似たような…
  
最近の女性のようなのかも。

私の周りには
きれいな人ばかり。
これはきれいに装ったというのかもしれないが
ひと昔の、やぼったい女性は見たことがない。
そして口調も強く、
自己主張もする。

ずいぶん強い女性が増えたなあと思う。

老人ホームでは、
散っていく桜の下で
風雨に負けない、
強い花が
ここに住む人々の
心をいやしているのかもしれない。

花見~桜~

2010-04-05 | 季節・花
少し風が強いと
花びらが散ってしまうから

桜が咲くと
早く見に行かなきゃと、
気持ちがせっつく。

今年は少し遠出して
うわさの
老人ホームの桜並木を見に行った。

どんなうわさかというと
その老人ホームは、
高台にあり、
桜の向こうに海が見えて
それは美しいという。

天国みたいな光景…

そんなら是非見に行こうと、
晴れた昨日、
友達と一緒に見に行った。



桜並木が桜色に太い線を描いた
その向こう

海と空が互いを映して
抜けるような青に続いた。

「きれいだねえ…」
ありきたりの言葉しか出ないが
私たちも同化して
きれいになったような気分。

まさに絵のような風景。

何十年か経って
余生を暮らすときは
こんな海が見えるところに
いつか私も住みたい。

岩ツツジ

2010-03-25 | 季節・花
朝の数時間しか日がささないところで
うちの岩ツツジはみごとな紫に咲く。

10代のころ、家を出た私は、
たまに帰れる春に、
満開の岩ツツジの、
透き通るような紫を見て、

やっとふるさとに帰ってきたんだと
思ったものだった。

だから
よそで岩ツツジを見ると、
家の岩ツツジにワープする。

何年経っても
か弱い枝は変わらない。

一緒に植えられたほかの木々に
邪魔にならないように咲くからって
ささやいているかのよう、

つつましくも
りんと咲く紫の花は
私にとって
ずっと帰りを待ってくれた母のようだ。