スマホが鳴る。
スマホには毎年セロリを楽しみにしている知人の名前が出ている。
年を取ったせいか、普段家にいるとあまり声を出さないせいなのか、一発目の言葉に声がしゃがれる。
電話に出たが、やっぱり一発目の発生に咳払いをしたい。
昔風で言うならエヘン虫。
もうエヘン虫なんて完全に死語だろう。
｢片山さん今どちらですか？｣
｢家ですけど｣
｢今から行っても良いですか？｣
｢はい｣
｢家どこですか？｣
家も知らないのに行っても良いですか？って何かあるのだろうと｢何かあったんですか？｣
｢片山さんヴィックスドロップ舐めますか？｣
｢はい。今ちょうど欲しかったところです｣
｢持っていきます｣
なんだこの偶然。
10分ぐらいして知人はやって来た。
トランクを開け｢片山さんこんなに貰ったんで｣と見ればヴィックスドロップの段ボール箱がトランクにびっしり。
｢友人に野菜送ったらお返しにこんなにヴィックスドロップ送ってきた。舐めきれないし｣
でしょうね。だ！
袋入りのヴィックスドロップが6袋。
それが小箱に8個で一つの段ボール箱に。
つまり、ヴィックスドロップ48袋。
今ならなんともう一箱お付けしてと2箱いただく。
96袋やん。
1袋何粒入りなん？
でも、嬉しい。
何が嬉しいって｢片山さんにあげよう｣って思ってくれるのが嬉しいよね。
今年はコロナで一回もその方と飲む機会もなく寂しく限りですわ。
とりあえずこれで、僕の喉のイガラっぽさも解消されるかな？逆に糖尿になるかな？