天気が愚図る近頃。古いお金をもうひとつ。古代ヨーロッパのケルト民族が作ったとされる文字もなく自然と宗教が支配していた争いの絶えない時代のコイン。そのような時代に武器らしきものを持って走る戦士と馬は象徴的なモチーフで、その風変りな描写がとても印象的な当時の様子が伺えるお気に入りの一枚。
【補足】ケルト(CELT)は、古代ローマ時代以前から欧州東部から西部の広範囲に住み、後にローマ帝国の衰退とゲルマン民族の移動に伴ってブリテン諸島の北西部の一部に少数の末裔が残る民族。その中でも50BC頃(日本では弥生後期)にローマ人がGalliaと呼んでいた欧州でも特にライン川沿いのベルガエ地域(現ベルギー)のドイツ南西部モーゼル地方の都市トリアを中心とするに地域に住むゲルマン系ケルト部族のトレウェリ族が作ったとされる硬貨。ドイツ滞在中に機会があるたびローマやギリシャ硬貨と合わせ集めてみたもので、数多くあるケルト部族で流通していた多種多様なコインの中でもDancing Manikinと言われる極めて珍しい銀貨。ちなみに日本で最古とされる富本銭が登場するのがAD683年頃の天武天皇の時代。